日本では昨年12月に「ICC技術」を搭載した「ICC PURIOS」を発表しているシャープは、ICC PURIOSをCESでも発表したほか、AQUOSブランドの「AQUOS Ultra HD」を2013年下期に発売すると発表。年内に2製品の投入を予告している。
またシャープは、同社独自の高精細・低消費電力ディスプレー「IGZO」を使った32インチ4Kテレビの試作機や、次世代「クアトロン」パネルを使った60インチフルHDテレビ試作機を披露するなど、強みである液晶パネル技術の先進性をアピールする展示が目を引いた。
サムスン、LGの韓国勢も4Kテレビを出展
世界のテレビ市場では、日本勢より大きなシェアを占める韓国勢のサムスン、LGエレクトロニクスも、4Kテレビを出展している。特に積極的に見えたのがLGだ。84インチを筆頭に3種類のサイズラインナップの製品を発表。4K液晶ディスプレーを使った応用事例も複数展示するなど、力を入れていた。またサムスンは米Netflixと提携し、4K映像のビデオストリーミングのデモを出展していた。
とはいえ、韓国勢はどちらかと言えば、2012年のCESで発表しながら年内の製品化を実現できなかった、大画面有機ELテレビの製品投入の方が注目されていた。LGは55インチ有機ELテレビを、今年3月に米国で発売することを発表。注目の価格は1万2000ドル(約100万円強)とのことだ。一方のサムスンはデモ機の展示は注目を集めたものの、発売時期等の発表はまだない。
テレビじゃないけど……20インチで4Kの
タブレットPCがパナソニックから!?
最後に、4K解像度つながりとはいえ、テレビとは違う面白いアイテムが、パナソニックから発表されていた。写真家やデザイナーといった、高精細の画像・映像を扱うプロフェッショナル向けを想定した試作品で、なんと20インチサイズの4Kディスプレーを搭載したタブレットPCだ(むしろ一体型PCと呼ぶべきか)。
スペック表を見ると、4Kとは言っても画面の解像度やアスペクト比は4Kテレビのそれと異なり、3840×2560ドットのアスペクト比15:10という、縦解像度の大きいパネルを採用している。その他のスペックは、Windows 8 Proを搭載し、Core i5-3427U(1.8GHz)にNVIDIA製GPU、4GBメモリーとSSD 128GBを内蔵しているとのことで、スペック的には「GPUを搭載するUltrabook」並みと言える。
ディスプレーは10点マルチタッチのほか、4K解像度に対応できるデジタルペンも備えている。写真や映像のプロ向けとしては4GBメモリーは少ないように思えるが、20インチで4KのタブレットPCというのは、非常に興味深い。展示されていたのは試作機だが、製品化を前提したものとのことで、遠からず日本でも発表されるのではなかろうか。価格がいくらくらいになるか、見るのが怖いような気もするが(笑)。
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