今冬のスマートフォンには大容量バッテリーや省電力機能で、スタミナを誇る機種が多い。各機種とも使ってみると確かにバッテリーがもつようになった印象がある。しかし一方でディスプレーの大画面化が進み、LTEに対応、テザリングも利用可能となると、同時にバッテリー消費が激しそうにも思える。そこで現在発売中のスタミナ重視の冬モデル6機種を用意し、スタミナテストを実施した。長く使えるスマホは一体どれなんだ!? 詳しく見ていこう。
スタミナに自信の6機種をチョイス
今回用意したのは計6機種。スタミナに影響する部分も含めて簡単に紹介していこう。
まずは、NTTドコモから3機種
●サムスン電子「GALAXY Note II SC-02E」
5.5型という大画面の有機ELを採用。バッテリーも大きく6機種中最大の3100mAh。クアッドコアCPUのExynos 4412 1.6GHzを搭載。
●富士通「ARROWS V F-04E」
夏モデルの比較ではあまり成績が良くなかったARROWSだが(関連記事)、今回は2420mAhのバッテリーを搭載。CPUはクアッドコアのTegra 3 1.5GHz。
●シャープ「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」
4.9型のIGZO液晶を搭載。IGZO液晶は電池の消費が大幅に抑えられると謳われている。CPUはクアッドコアのSnapdragon S4 Pro。
つづいてauからは2機種。
●HTC「HTC J butterfly HTL21」
5型のフルHDディスプレー搭載という高性能スマホ。夏モデルの「HTC J」ではスタミナ面でも強力だったが、大画面化された本機ではどうか。CPUはやはりクアッドコアのSnapdragon S4 Pro。
●京セラ「DIGNO S KYL21」
スタミナを思いきり前面に打ち出したスマートフォン。バッテリー容量はGALAXY Note IIに次ぐ、2520mAh。CPUはデュアルコアのSnapdragon S4 1.5GHzを搭載。
ソフトバンクモバイルからも1機種。
●Motorola Mobility「RAZR M 201M」
画面サイズは4.3型と小さめでスタミナ面には有利か? ただしバッテリー容量も2000mAhを切り、交換も不可。CPUはSnapdragon S4 1.5GHzのデュアルコア。
主なバッテリー関連のスペック・機能を表にまとめてみた。
GALAYX Note II | ARROWS V | AQUOS PHONE ZETA | HTC J butterfly | DIGNO S | RAZR M | |
---|---|---|---|---|---|---|
バッテリー容量 | 3100mAh | 2420mAh | 2320mAh | 2020mAh | 2520mAh | 1940mAh |
ディスプレー | 5.5型 | 4.7型 | 4.9型 | 5型 | 4.7型 | 4.3型 |
Qi対応 | × | × | × | × | × | × |
電池交換 | ○ | ○ | × | × | ○ | × |
連続待受 (3G/LTE) |
約730時間 /約650時間 |
約650時間 /約300時間 |
約380時間 /約350時間 |
約360時間 /約270時間 |
約720時間 /約580時間 |
約520時間 /約200時間 |
連続通話(3G) | 約850分 | 約520分 | 約580分 | 約750分 | 約1110分 | 約950分 |
このほかに6機種とも独自の省エネ機能を搭載している。また全機種LTE対応(RAZR MはAXGP=TD-LTE互換)なので公式スペックの連続待受時間は3GとLTEを併記した。ただし連続待受/通話時間の計測方法は各社異なるのであくまで参考程度にしておこう。連続通話時間に関しては、現在はLTEエリアでも3Gで通話するため3Gの時間のみだ。
夏モデルでは3.7~5型だった画面サイズが大きくなり、1500~2100mAh程度だったのに比べると、短期間で大容量化が進んでいる印象だ。
若干残念なのは「おくだけ充電」のQi対応機種は1台も無い点。実際に使ってみると便利に思うのだが、まだ普及には時間がかかるのかもしれない。
さらに3GとLTEを比較した連続待受時間だが、どの機種もLTEのほうがバッテリーを消費するのがわかる。ただしAQUOS PHONE ZETAはその差が小さい。逆にARROWS VとRAZR Mは差が大きく不安になる。この連続待受時間に関しては、300時間前後の機種が多かった夏モデルとあまり変わらず、バッテリーが大きくなっているのに電池消費も大きくなっている? と思ってしまう。
連続通話時間ではDIGNO Sの「1110分」という驚きの数字。冬モデルの中で比較しても機種によって倍くらいの差がある。
さて次ページ以降では実際に詳しくテストを実施する。