社内ネットワークのIPアドレス管理を劇的に効率化してくれるのが、ソーラーウィンズのネットワーク管理ツール「SolarWinds IP Address Manager」だ。ここではSolarWinds IPAMの使い勝手や見える化で実現できることを解説していきたい。
IPアドレス管理はいつでも管理者の悩み
情報システム部で管理者として勤務している以上、IPアドレスの管理は避けて通れない。部署や課単位でサブネットを構成し、ネットワークを構築している一般の企業であれば、当然サブネット単位でのIPアドレスの利用状態を把握しなければならないからだ。IPアドレスがなければ、どんな端末も通信は一切できず、インターネットも業務アプリケーションも利用できない。また、資産管理やセキュリティの観点からも、本来これらのデバイスは、ユーザーやIPアドレスときちんとひも付けて管理すべきだろう。
従来、こうしたIPアドレスの管理にExcelのスプレッドシートを用いていたところは多い。IPアドレスやホスト名、資産番号などを手作業で調べ、端末の資産台帳として管理していたわけだ。しかし、昨今はクライアントPCだけではなく、BYOD(Bring Your Own Device)の普及でスマートフォンやタブレットの業務利用が解禁されたり、電話機や複合機などさまざまなオフィス機器がIP化されたことで、管理対象が大幅に拡大している。これらの端末に割り当てられるIPアドレスは、動的に変化するので管理が面倒くさい。また、合併、併合などの組織変更のたびに、台帳を作り直すのは管理者の負荷も大きい。
とはいえ、IPアドレスやサーバー管理を含めたネットワーク管理ツールは高価なものが多く、導入や運用の敷居が高いのが実態。専用のサーバーを用意しなければならなかったり、操作に特殊なスキルが必要であれば、導入は難しい。果たして、低コストで、簡単にIPアドレス管理を実現できる製品はないだろうか? こうした悩みを抱えている管理屋にオススメしたいのが、「SolarWinds IP Address Manager(以下、SolarWinds IPAM))」である。
このSolarWinds IP Address Managerを開発・販売する米ソーラーウィンズは、「SolarWinds Network Performance Monitor(以下、NPM)」というネットワーク管理製品を中心に展開するソフトウェアベンダーだ。同社は、このほかにもアプリケーションやサーバー、ストレージ、仮想化環境、セキュリティなどさまざまな管理ツールを展開しているが、これらソーラウィンズの管理ツールは、CIOではなく、どれも現場の管理者のために作られている。高価で重厚長大な伝統的管理ツールと異なり、低価格でとにかく簡単。30日間きちんと試用でき、インストールすれば、すぐに使える導入の容易さが大きな売りとなっている。
IPアドレス管理を効率化するSolarWinds IPAM
今回紹介するSolarWinds IPAMは、Windows版のIPアドレス管理ソフトだ。動作はシンプルで、ネットワークを定期的にスキャンすることで、IPアドレスの変更を検知。応答のないアドレスを含めて、最新のIPアドレスリストを常時保持するというものだ。DHCPサーバーをSolarWinds IPAMに登録することで、新しいサブネットやスコープを追加することも可能。これらIPアドレスの利用状況は、管理GUIを用いて、リアルタイムに把握できる。さっそく試用してみよう。
SolarWinds IPAMの対応プラットフォームは、Windows Server 2003/2008/2008 R2などで、.NET Frameworkの3.5やIIS、SQL Server Expressもインストールする必要がある。他のツールと同様、SolarWinds IPAMの試用版はソーラウィンズのサイトからダウンロードできる。名前、メールアドレス、会社名、電話番号などを登録し、ダウンロードサイトに進む。IPAMの場合、300MB強あるので、ブロードバンド環境でダウンロードしよう。あとはウィザードにそって、コアエンジンになるOrionや各コンポーネントのインストールを行なえばよい。導入後は、管理者アカウントでログインし、ネットワークをスキャンすれば、サブネットやIPアドレスが表示される。
IPアドレス管理の最大の目的は、適切なIPアドレス配布である。GUIで「IP ADRESSES」というタブを開くと、「IPAM Summery」「Manage Subnets & IP Addresses」「DHCP & DNS Management」などのメニューが現われる。
(次ページ、IPアドレスの状況を一目でチェックできる「IPAM Summery」)