「Windows 8によるタッチインターフェースへのフォーカスは、パソコンの形をもう一度問い直すものになる」というのは、業界内で一致した考え方だった。でも、今回紹介する製品の構造は、ほとんどの人が予測しなかったはずだ。
今回試用する「ASUS TAICHI」(以下TAICHI)は、ディスプレー部に他社が発想しなかった仕組みを取り入れつつ、Ultrabookらしい薄型ボディーを実現した製品だ。独自性の高い構造とはどのようなもので、その効果はいかほどのものなのだろうか。
名は体を表す?
2画面を「表」と「内側」で利用
TAICHIを普通に開くと、一見本当に普通のUltrabookに見える。ボディーも薄く、最厚部で約17.4mmしかない。くさび型のデザインなので、より薄く見えるのもそういった印象を強くする。
だが、ボディーをディスプレーの「裏側」から見ると、その印象は変わる。本来ならば天板のあるべき場所が、そのままディスプレーになっているのだ。光るASUSのロゴも、実はディスプレー上の表示だったりする。
といっても、他社の変形ノートのようにディスプレーが裏まで回ったり、キーボードがスライドしたりしているわけではない。フルHD解像度のディスプレーパネルが、内側と外側の両方にあるのだ。
ある意味、実に直球勝負である。本体を畳めば、一体化してタブレット形態にもなる。通常では開くと、天板部外側のディスプレーは消え、黒く光る板になる。外側は硬質ガラスでカバーされているため、表示がなければディスプレーではないようにも思える。実際には、そうやって持ち運んだ時の衝撃緩和・指紋防止などの狙いから、標準で付属するケースに入れて持ち運ぶことが推奨されている。

この連載の記事
- 第116回 「VAIO Duo 13」—革新は形だけじゃない! 変形ハイエンドモバイルに込めた思い
- 第115回 ソニーの本気—Haswell世代でVAIOはどう変わったか?
- 第114回 渾身の「dynabook KIRA V832」はどう生まれたのか?
- 第113回 HPの合体タブレット「ENVY x2」は、大容量プロモデルで真価を発揮!
- 第112回 ソニー“3度目の正直”、「Xperia Tablet Z」の完成度を探る
- 第111回 15インチでモバイル! 「LaVie X」の薄さに秘められた魅力
- 第110回 フルHD版「XPS 13」はお買い得ウルトラブック!?
- 第109回 ThinkPad Tablet 2は「Windows 8タブレット」の決定打か?
- 第108回 今後のPCは?成長市場はどこ? レノボ2013年の戦略を聞く
- 第107回 Windows 8とiPadがもたらす変化 2012年のモバイルPC総集編
- 第106回 Clover Trailの実力は? Windows 8版ARROWS Tabをチェック
- この連載の一覧へ