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キヤノン、「PIXUS」シリーズの2012年新製品発表

2012年09月26日 22時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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 キヤノンは、家庭向けインクジェット複合機/プリンター「PIXUS」(ピクサス)シリーズの2012年秋モデル新製品7機種を発表した。複合機のラインナップは、フラグシップ機の「MG6330」(BLACK/WHITE/PURPLE/BLUE/GREEN)、スタンダード「MG5430」、ベーシック「MG4230」、エントリー「MG3230」。プリンターのラインナップは、スタンダードモデル「iP7230」。また、プロ/ハイアマチュア向けA3ノビ対応プリンター「PRO-10」「PRO-100」も発表した。

家庭向けインクジェット複合機・プリンター「PIXUS」(ピクサス)シリーズ

プロ/ハイアマチュア向けA3ノビ対応プリンター「PRO-10」「PRO-100」

 発売は、複合機およびiP7230が10月上旬。PRO-10とPRO-100が11月上旬。価格はすべてオープンプライス。キヤノンオンラインショップの直販価格(予定)は、MG6330が3万980円。MG5430が2万6980円、MG4230が1万5980円、MG3230が9980円、iP7230が1万6980円。PRO-10が8万9980円、PRO-100が5万9980円。

 発表会では、まずキヤノンマーケティングジャパン 代表取締役 川崎正已氏が登壇。新製品群の紹介に加え、年末商戦においてMG6330がナンバー1機種となること、2012年マーケットシェア、さらにプロ/ハイアマチュア向けプリンター市場でトップを目指すことを明らかにした。また、商品販売による市場活性化だけでなく、イメージング分野のリーディング・カンパニーとして「写真の楽しさ」を伝えることで写真業界の活性化を行なうとした。

年末商戦においてMG6330がナンバー1機種となること、2012年マーケットシェア、さらにプロ/ハイアマチュア向けプリンター市場でトップを目指す

「写真の楽しさ」を伝えることで写真業界の活性化を図ることにも触れた

プロ/ハイアマチュア向けA3ノビ対応プリンター
「PRO-10」「PRO-100」

 続いては、キヤノン 取締役 インクジェット事業本部長 大塚尚次氏が新製品の技術と特徴を解説。冒頭に、昨年発生したタイの洪水で大きな被害を受けたアユタヤ工場が迅速に復旧を果たし、同時にラチャシマ新工場が別途稼働済みであることを報告した。

浸水したアユタヤ工場が迅速に復旧を果たし、ラチャシマ新工場が別途稼働済み

 1pl(ピコリットル)の極小インク滴を吐出できる高密度プリントヘッド技術「FINE」がさらに進化し、プリントスピードが向上したことを説明。PRO-10では、計10色の新インクにより色域が大幅に向上し、上位機種「PRO-1」に匹敵する性能を実現。3色の黒系インク(フォトブラック/マットブラック/グレー)により、暗部の色域も向上。暗部の濃淡の微妙な違いも表現できる。また、印刷直後から安定した発色を得られるようになった。

高密度プリントヘッド技術「FINE」がさらに進化し、プリントスピードが向上

計10色の新インクにより色域が大幅に向上し、上位機種「PRO-1」に匹敵する性能を実現

 新インクは9色顔料インクに加えてクロマオプティマイザーからなり、プリント表面の段差を低減することで均一な光沢感を提供可能。表面反射光量を抑えることで黒濃度が向上したほか、照明光がプリント表面上で乱反射することで金属光沢などが付いて見えてしまう「ブロンズ現象」も抑制できる。

 ディスプレー上で色調整した画像と印刷した画像の印象を近づけたいというプロのニーズに対応すべく、プリンタードライバーの色調整機能として「PRO」モードを新搭載。ディスプレーとプリンターそれぞれが表現可能な色域の違いを認識し、出力物の色味がディスプレー上の表示に近づくように調整可能。

プリンタードライバーの色調整機能として「PRO」モードを新搭載

 また、新たなプラグインソフト「Print Studio Pro」により、キヤノン製デジタル一眼レフカメラ向けRAW編集ソフト「Digiral Photo Professional」と連携し、用紙や色調整などの設定をひとつの画面で操作可能となっている。

新たなプラグインソフト「Print Studio Pro」によりRAW編集ソフト「Digiral Photo Professional」と連携し、用紙や色調整などの設定をひとつの画面で操作可能

家庭向けインクジェット複合機/プリンター

 家庭向け複合機/プリンターの2012年秋モデルは、「ロースタイル」デザインを採用。本体の高さを抑え(MG6330は高さ148mm)、背面をスッキリさせたことで、壁面にぴったり配置できる。また、インクタンク交換時に必要な部分のみ開閉できるデザイン「Snap Edge」になり、メンテナンスがさらに容易になった。開閉時の高さは最大で305mm(MG6330)と、棚などに配置していてもインクを交換しやすい。

「ロースタイル」デザインを採用。背面をスッキリさせたことで、壁面にぴったり配置できる

インクタンク交換時に必要な部分のみ開閉できるデザイン「Snap Edge」になり、メンテナンスがさらに容易になった

 普通紙プリントが高速化され、MG6330の場合A4カラーで約10ipm、A4モノクロで約15ipmを実現。大容量タイプインクを採用したことでインク交換頻度を低減したほか、MG6330ではL判コスト16.2円を実現した。同時に新インクタンクによる高画質化も行なわれており、写真画質におけるレッド/オレンジ/イエロー領域の発色が向上。人物写真の肌色、果物や夕焼けなどの画像でもより鮮やかな表現が可能になった。普通紙画質においてもRed領域の色再現性が拡大し、さらに鮮やかな印象を得られる。

 また、全モデルが前面給紙をサポート。MG6330/MG5430/iP7230は前面2段カセットにより、2L判/L判/KGサイズ/はがきサイズ(上段最大40枚)とA4/A5/B5レターサイズなど(下段最大125枚)2種類の用紙を交換の手間なく給紙可能だ。自動両面印刷も全モデルが対応しており、用紙を節約したい際にはECO設定を利用できる。

全モデルが前面給紙をサポート。MG6330/MG5430/iP7230は前面2段カセットにより、2種類の用紙を交換の手間なく給紙可能だ

 Wi-Fi機能(無線LAN)については、全モデルが標準搭載。PC/スマートフォンなどのWi-Fi対応機器から印刷/スキャンを実行できる。PIXUSシリーズが電源オフ状態でも、印刷ジョブが送信されると自動的に起動する「自動電源オン」、排紙トレイも自動的に開いて印刷を開始する「スマートトレイ」を搭載している。

Wi-Fi機能(無線LAN)については、全モデルが標準搭載

PIXUSシリーズが電源オフ状態でも、印刷ジョブが送信されると自動的に起動する「自動電源オン」、排紙トレイも自動的に開いて印刷を開始する「スマートトレイ」を搭載

 PictBridge(Wi-Fi)もサポートしており、対応デジタルカメラからのダイレクトフォトプリントが可能。Android/iPhone/iPad用「Easy-PhotoPrint」アプリからの印刷/スキャン、Apple AirPrintによる印刷も対応している。

 このほか、操作のしやすさをさらに追求し、MG6330にタッチパネル方式3.5型液晶を採用。必要なキーのみが発光し操作を誘導する「Intelligent Touch System」の利便性が向上した。

MG6330にタッチパネル方式3.5型液晶を採用。必要なキーのみが発光し操作を誘導する「Intelligent Touch System」の利便性が向上した

 また、新統合アプリケーション「My Image Garden」が発表された。写真/カレンダー/シールなどの印刷、写真/文書のスキャン、画像編集、PDF作成、ファイル管理などを一括して行なえる。Facebook上の写真を手軽な操作で印刷できる「Print Your Days」も公開され、自動レイアウト機能などが紹介された。

新統合アプリケーション「My Image Garden」では、写真/カレンダー/シールなどの印刷、写真/文書のスキャン、画像編集、PDF作成、ファイル管理などを一括して行なえる

Facebook上の写真を手軽な操作で印刷できる「Print Your Days」の自動レイアウト機能

インクジェットプリンター国内市場は
538万台(2012年予測)

 キヤノンマーケティングジャパン 取締役 専務執行役員 イメージングシステムカンパニープレジデント 佐々木統氏が、「新製品の国内マーケティング戦略」と題して市場動向などを紹介。一眼レフカメラ、ミラーレスカメラを含むレンズ交換式デジタルカメラの2012年出荷台数予測が185万台と拡大していることを説明した。いい写真を撮影/出力したいという意欲は高く、デジタルカメラによる入力からPRO-10/100による出力まで、キヤノンならではのトータルな環境を整えるとした。

レンズ交換式デジタルカメラの2012年出荷台数予測が185万台と拡大していることを説明

 また、家庭用インクジェットプリンター国内市場の2012年出荷台数は、538万台と予測。ユーザーの買い換えサイクルが4年以上5年未満であることに触れた。プリンター購入者アンケートでは、プリント画質/操作のしやすさ/本体デザインなどの満足度は高いものの、ランニングコストや対応インクの交換頻度の満足度が低い点に触れ、PIXUS新製品でこの解決が図られていることを明らかにした。

家庭用インクジェットプリンター国内市場の2012年出荷台数は、538万台と予測

 新製品の魅力を伝えるキャッチフレーズとして、「こんなにスマートになりまして」を採用、新コミュニケーションパートナーとして桐谷美玲(きりたに みれい)さん、芦田愛菜(あしだ まな)さんを起用したことを発表した。

新コミュニケーションパートナーとして桐谷美玲(きりたに みれい)さん、芦田愛菜(あしだ まな)さんを起用。会場では、CM中のポーズを披露していた


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