9月20日と21日、ドイツのミュンヘンとマンハイムの2ヵ所の地方裁判所がそれぞれ、審議中のスマートフォン特許訴訟について判決を下した。Microsoft対Google/MotorolaではMirosoftが勝訴したが、AppleはMotorolaとSamsungを相手に敗訴となった。
20日のミュンヘン地裁からみてみよう。この訴訟は、Microsoftが自社特許である欧州特許番号EP1040406をMotorolaのスマートフォンやタブレットが侵害していると主張していたものだ。同特許は「ソフト入力パネルシステムおよび手法」で、画面上のソフトウェアキーボード、手書き文字、音声などを使ったテキスト入力技術となり、Android自体に対する攻撃となる。
スマートフォンをはじめとしたハイテク関連の特許問題に明るいドイツのFlorian Mueller氏によると、「必須技術特許を別にすると、最もインパクトの大きな技術特許」という。Appleが主張するマルチタッチ関連の特許と比べると回避が難しいとしている。
Microsoftは該当するMotorola製品差し止めを求めることができる。この判決に対し、Motorolaは判決に不服として控訴することが予想されている。
なお、MicrosoftはSamsung、HTCなどのベンダーとクロスライセンス契約を締結しているが、Motorola Mobilityとは同様の契約を結んでいない。Microsoftは米国でも、同じ特許を根拠にMotorolaを提訴している。
今回の勝利はMicrosoftにとって、Motorolaに対するドイツで3回目の勝訴となった。同社これまで、FAT、SMSメッセージ、ActiveSyncなどが関連した特許訴訟でMotorola相手に勝利を収めている。
21日のマンハイム地裁はApple対Motorola、Apple対Samsungの2件となる。Apple対Motorolaについては8月末に判決を下す予定だったが、主張内容が類似していたことから延期して一本化した。
Appleはここで、欧州特許番号EP2098948の「タッチイベントモデル」といわれる特許を主張。この特許はマルチタッチに関するもので幅広く利用されていることから、AppleがHTCを相手取って英国で起こした訴訟でも、主張は認められなかった。