富士通は、「パソコン組立体験サービス」の提供を開始する。その第1弾として、ティー・ゲートと提携。8月9日に「旅の発見」と呼ぶツアーを実施し、「富士通×旅の発見 自分だけのパソコン組み立て体験」として、親子対象のパソコン組み立て教室を富士通川崎工場にて開催する。
また、パソコンスクールを展開するアビバと提携し、8月25日からアビバの教室においても実施を予定。富士通グループの富士通ラーニングメディアが全国に展開する約100のパソコン教室「富士通オープンカレッジ」でも、今年秋以降組み立て教室を開催する。「今後は、パソコン教室数社と連携して、参加者10人規模の組み立て教室を年間100回開催し、1000台規模の組み立てパソコンを提供していく」(富士通パーソナルビジネス本部リペアサービス統括部の中藤慶一郎シニアディレクター)と語る。
旅行代理店や各種情報誌、専門誌など、メディアとのタイアップなども想定しており、富士通の工場およびショールームの見学とパソコンの組み立て体験をパッケージ化した提案も可能になるという。地域コミュニティ(子供会、町内会など)の講座に組み込まれることも想定しており、住民や地域ネットワークの活性化やつながり強化のための活用に加えて、学校などの教育現場において、パソコンの構造や動作原理を学ぶ教材としても利用できるとしている。
パソコン組立体験サービスは、富士通の国内パソコン生産拠点である島根富士通(島根県出雲市)、富士通アイソテック(福島県伊達市)において、夏休み特別企画として約8年間に渡って実施してきた、小中学生の親子を対象にしたパソコン組立教室のノウハウを活用したもの。「パソコンをより楽しんでもらい、知ってもらい、身近な存在として感じてもらうための取り組みとして、我々の想いが詰まったサービスになる」(富士通パーソナルビジネス本部リペアサービス統括部長・福世正志氏)とする。
組み立てに選定できるパソコンは、富士通が国内生産としているノートPC「LIFEBOOK AH」「らくらくパソコン」、デスクトップPC「ESPRIMO FH」「ESPRIMO DH」の4シリーズ19機種で、初心者でも確実に組み立てられるレベルでユニットを構成。LIFEBOOK AHシリーズの場合には、15部品24工程で構成し、1時間30分から2時間程度で組み立てられるようにする。
組み立て時の部品の衝撃や、静電気による破損対策に必要な静電マットや帯電防止リストバンド、組み立てる際に必要なドライバーまで提供する。
断線が懸念されるケーブルの配線作業や、CPUの装着など、リスクの高い部品に関して先に組み立てて提供することになるが、「要求にあわせて、30部品60工程のように柔軟に変更することも可能」だという。
また、部品ごとに仕分けて収納する専用の梱包箱などを用意。複数のネジを利用する場合であれば、ネジの種類ごとに色分けしたケースに入れ、組み立て時には色分けされた箱から該当するネジを使用するように指示する。
組み立てには、10人規模の教室の場合で、1人の講師と、組み立て作業をサポートする2人の技術スタッフを派遣。組み立てに関する指導だけでなく、HDDやメモリーの役割など、本体を構成する部品についても説明を行なう。
さらに、組み立てたパソコンは、ネジ締めの確認や、専用ツールを使った診断をその場で行なうほか、PC保証アップグレードサービスを通じて、量販店で販売されているパソコンと同様のサービスを提供する。
「当初は、組み立てたパソコンを一度工場で検査してからお客様にお渡しする格好になるが、すぐに持ち帰りたいという要望も多いと想定されることから、将来的にはそれに応えられる形にしていきたい」(富士通パーソナルビジネス本部リペアサービス統括部の中藤慶一郎シニアディレクター)という。
組み立て教室で組み立てたパソコンのサポートに関しては、3年間のメーカー延長保証(9800円相当)を無償で受けることができ、AzbyClubプレミアム、電話/Webサポート、引取・訪問修理サービスも利用可能だ。
また、「親子での組み立てだけに留まらず、シニア層にも自分だけのパソコンとして組み立ててもらい、長い期間に渡って使っていただきたい。組み立てたパソコンに自分の名前を入れたり、マウスに名前をの刻印するといったサービスもオプションで提供する」とした。
富士通では、提携する企業などに対して、WEB MARTでのパソコン本体提供価格に、パソコン組立体験サービス価格を加えた料金として提供する考えで、「パソコンの販売価格に2万5000円〜3万円上乗せするような水準になる」としている。