CPUを殻割りして、内部のグリスを熱伝導率の高いシートに換装した「Core i5-3570K 改」をPC DIY SHOP FreeTで7日より販売する。
これは、「Core i5-3570K」のCPUコアを覆っているヒートスプレッダーを剥がして(通称:殻割り)内部のグリスを拭き取ったうえで、ワイドワーク製の黒鉛垂直配向熱伝導シート「Vertical-Graphite Pro」(型番:WW-90VG)を挟み込んで再度ヒートスプレッダを被せた、ショップ独自の改造CPU。
同店によると、「改造後のCPU温度はアイドル時で29度、高負荷時で69度。改造前は4.2GHzにオーバークロックすると約100度になったが、改造後は4.8GHzまでオーバークロックしても99度で済んだ」という。
そもそもなぜこんなことが必要なのかというと、CPUコアとヒートスプレッダー間の熱伝導体として通常は半田が使用されるのだが、Ivy Bridgeでは半田ではなくグリスが使用されているからだ。グリスは半田より熱伝導率が低いため、これをより熱伝導率の高いグリスや半田に塗り替えてあげれば排熱がスムーズになり、性能向上が見込めるというわけだ。
ただ、CPUからヒートスプレッダーを剥がすのはコツが必要で(基板とヒートスプレッダーの間にカッターを差し込むという原始的な手段だが)、下手をするとCPUコアを傷つけてしまう可能性がある。もちろんメーカー保証対象外の行為のため、これらの改造は自己責任。
そこでPC DIY SHOP FreeTでは、殻割りと熱伝導シートの貼り付けを施したうえで動作確認をして、同店の初期不良交換保証を1週間付けたものの販売を始めるという。試験的な販売なので、今回の「Core i5-3570K 改」は限定3個のみ。反響が大きければ今後販売を拡大する可能性もあるとのこと。
価格は2万2800円。なお熱伝導シートを貼らずに殻割りしただけの「Core i5-3570K」であれば、1000円引きの2万1800円で販売するという。アキバのパーツショップならではの新しい販売方法には目を見張るばかりだ。