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“つながる自由”を実現するauのネットワーク戦略を知った

2012年04月05日 23時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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単純なスポット数より、そのクオリティーをアピール
ユーザーに使ってもらえない理由を直視して改善

KDDI コンシューマ事業企画本部Wi-Fi推進室担当部長の大内良久氏

 後半はauブランドのさまざまな無線LANサービスについて紹介された。auの公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」のスポット数はすでに10万ヵ所を突破したが、とにかくお客さんに使ってもらうことが重要とし、逆になぜ使ってもらえないか、その理由を直視することにしたとする。

 その最大の理由が「電池の持ちが悪化する」、さらには「設定・接続関連」「通信品質」「セキュリティー」とつづいた。設定についてはスマートフォン用にすでに接続ツールが配布されているので、一番の問題がバッテリーだ。

 無線LANについて説明を行なった、同社コンシューマ事業企画本部Wi-Fi推進室担当部長の大内良久氏は率直に「Wi-Fiをオンにすると、3Gだけの待受のときより電池の持ちが半分以下になる」と認める。この理由はWi-Fiをオンにすると、周囲にアクセスポイントがないかを探す動作をするためだ。この動作を最適化することで、電池の持ちは約2倍。3Gだけの待受時間と同等レベルにまで向上できるようになるという。

スポット数が増えても使ってもらえなければ意味はなく、オフロードにもならない。そこでユーザーのWi-Fiへの不満をまず調査した。その結果はバッテリーの持ちが一番の理由だった

端末やアプリの改修で、3Gのみの待受時に近い、バッテリーの持ちを実現するとする

 すでにAndroidスマートフォンについては、改善をすすめており、既存モデルも含めて、5月以降にソフトウェアのバージョンアップによって順次対応していくとする。また、このタイミングでは、やはりユーザーからの不満が多い3GとWi-Fiの切替時間も半分以下に短縮する予定だ。

 また、au Wi-Fi SPOTのサービスそのものについても、他社サービスに対する優位性があることを示唆する。具体的には、まず2.4/5GHzのデュアルバンド対応。アクセスポイントやWi-Fi以外の干渉であふれている2.4GHz帯ではなく、5GHz帯を用いることで、Wi-Fiを快適に利用できるようになる。auスマートフォンで5GHz帯に対応した製品は限定的だが、夏モデル以降で積極的に採用される予定だ。

 つづいては、Wi-Fiアクセスポイントそのものの性能。Wi-Fi機器がある方向に集中的に電波を飛ばす、ビームフォーミング技術に対応したアクセスポイントを採用することで、店舗内で実際にWi-Fiが使えるエリアの広さで強味を持つ。

au Wi-Fi SPOTの強味はチャンネル数の空きや干渉の少なさで有利な5GHz帯にも対応していること。さらにビームフォーミング機能にも対応

セキュリティー面でも、WPA2-PSK(AES)を採用。また、混雑する街中では屋外アクセスポイントの設置で丸ごとエリア化する。すでに竹下通りで実現しているという

 ユーザーの不満にもあったセキュリティー問題。他社のサービスにはすでに解読が可能になっている「WEP」が用いられているものも多いが、au Wi-Fi SPOTはWPA2-PSK(AES)を利用することで、より強固な暗号化が可能だ。さらには、au Wi-Fi SPOTが利用できるユーザーであれば(パケット定額サービスの「ISフラット」への加入が必要)、auスマートフォン以外にもう1台、PCなどの他の機器からも利用可能なのが、あまり知られていない大きなメリットである。

これは飲食店などに設置されている「au Wi-Fi SPOT」の装置。バックボーンはFTTHとWiMAXがあるが、写真の装置はWiMAXタイプであるため、背面にルーターがついていた。今後はトラフィックが多いスポットから順次光回線化を進めていく

 今年12月に開始予定のLTEなど、今後導入予定の次世代技術などについては語られなかったが、“つながる自由”のキャッチフレーズを実現するために同社が努力していく姿勢について、あらためてアピールしたうえで説明会は終了した。


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