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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第43回

モバイル端末の年末商戦を制したAppleとSamsungとAmazon

2012年01月11日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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クリスマス当日だけで680万台の端末がアクティベーション

 また、サンタクロースにスマホやタブレットをもらった人は実際に多かったようで、Flurry Analyticsによると12月25日にiOS(iPhoneのほか、iPod touchやiPadも含む)端末とAndroid(タブレット含む)端末のアクティベーションは過去最高の680万を記録したという。

 2010年と比較すると140%の増加とのことで、スマホやタブレットは今年もサンタへの欲しいものリストの上位に入っていたようだ。データではiOSとAndroidの内訳は公開していないが、iOSの方が160万多い(つまりiOSが420万でAndroidが260万)と見る向きもある。

 さらに12月25日から12月31日までの1週間の集計でも、両OSのアクティベーション数は過去最高の2000万を記録している。

 Flurryは合わせて、モバイルアプリケーションのダウンロード数についても公開しているがこちらも興味深い。12月25日だけでも2億4200万のアプリダウンロードがあり、12月25日から1週間では12億回。やはりモバイル端末の最大の魅力はアプリなのだろう。クリスマスプレゼントにもらったモバイル端末を開けて、すぐにアプリを使ってみたという様子がうかがえる。なお、人気モバイルゲーム「Angry Birds」を開発するRovioは、12月25日だけで650万のダウンロードがあったと報告している。

Kindle Fireはやはりヒット商品に

世界的なヒット商品になっているKindle Fire。日本ではどうなる?

 スマートフォンよりも目立った感があるのがタブレットだ。年末商戦に向けて、iPad対抗の本命と目されていたAmazon「Kindle Fire」が発売されており、その動向が注目されていた。

 Kindle Fireは改良を加えたAndroidを採用、独自ブラウザー「Silk」を搭載するなどの特徴を持ち、199ドルという価格を実現した。筆者が12月にフランスのAmazon(http://www.amazon.fr/)を利用したところ、届いた箱の中にもKindle Fireの広告チラシが入っていた。こういった効果もあってか、Kindle Fireは好調だったようだ。前述のMorgan Keeganは、Kindle Fireの販売台数を400万台~500万台と推定、このうち100万台~200万台はiPadを食ったものとした。それでもiPadがタブレットの王者であることには変わりないようで、第4四半期の出荷台数予想を1300万台としている。

 Kindle Fireはタブレット的な要素が注目されているが、イギリスでは電子ブックリーダーも好調で、中でも「Kindle」ブランドは12月の約1ヵ月の間、30秒に1台売れたとYouGovが報告している。Amazonはスマートフォンに参入のうわさがあり、Facebookとともに注目されている。

 最後に、第4四半期に欧州でローンチしたNokia初のWindows Phone端末(Lumia)についても、動向を紹介しておく。(予想どおりというべきか)Lumiaは大きなヒットにはいたっていないようで、GfKの調査ではトップ10入りは果たせなかったようだ。NokiaはLumiaでアメリカに再進出することが決定しているが、欧州市場でソフトローンチとなったことが足を引きずらないかが心配される。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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