MacPeople 2012年2月号から連載が始まった「ユザーンの川越コンピューター学園」。川越市在住のタブラ奏者・ユザーンが、ゲストを招いてコンピューターやちょっと懐かしい話をあれこれお届け。いいオトナが学ランとセーラー服で登場する、ある意味貴重な連載です。記念すべき第1回目のゲストは坂本美雨さん。ご本人の話はもちろん、「教授」の意外な一面も語ってくれました。そんな連載の模様をASCII.jp読者の皆さまに少しだけお見せいたします!
今月の転入生:坂本美雨(さかもとみう)
父・坂本龍一と母・矢野顕子とともに9歳のときニューヨークに移住。'97年「Ryuichi Sakamoto featuring Sister M」名義でミュージシャンデビュー。'99年から本名で本格的に音楽活動を開始。多彩な才能を生かし、翻訳、ジュエリー・ブランド「aquadrops」のプロデュースも手がけている。Twitterは「@miusakamoto」
「なんでユザーンがマックピープルなの?」
ユザーン 美雨ちゃん、セーラー服着るの初めてなんだよね。
坂本 うん。ずっとアメリカの学校だったから、まず制服文化がなかった。だから、なんでもいいから制服着てみたかったんだ。だんだん着られない年齢になるしね。ていうか、もうすでにアウトだって話ですけど(笑)。
ユザーン 着てみてどんな感じ? 着心地とか。
坂本 硬い! 意外と硬いんだね。冬物だからなのかもしれないけど、生地が厚い。肩パットが入ってるからか拘束感もある。
ユザーン 確かに快適な服ではないよね。
坂本 うん。でもなんだかすっごくいいね。いい気持ちです。
ユザーン あはは。似合ってるよ。着たままその辺散歩してくる?
坂本 それは超恥ずかしいよ! ところで、今日は何したらいいのかな。なんでユザーンがマックピープルで連載なの?
ユザーン 俺もよくわからないんだけど、いつの間にか連載することだけが決まってて、内容を打ち合わせてるときにたまたま久保ミツロウ※もいて、突然「学園物がいい」って言い出したんだよ。この「川越コンピューター学園」ってタイトルもあの人が付けたんだ。でもまぁ、Macの話をすればいいらしいよ。美雨ちゃんはずっとMacユーザーなんだよね。
※ 久保ミツロウ氏は、売上が148万部を突破し、ドラマ&映画化された人気コミック「モテキ」が記憶に新しい漫画家。映画「モテキ」にはユザーンも出演している。現在「週刊少年マガジン」誌で連載している「アゲイン!!」の単行本第2巻も好評発売中。実はMacPeople誌の連載ロゴは同氏のデザインによるもの
坂本 そう。11歳のときからMacを使っています。
ユザーン じゃあもうMac歴20年だ。
坂本 ’90年だから9歳のときかな、アメリカに引っ越したんだけど、まず転校先の小学校の教材として採用されていたコンピューターが全部Macだったの。こういう四角い形の……。
ユザーン iMacとか出る前のやつ?
坂本 うん、全然前。そこにすごく単純な算数のゲームとかが入ってて、授業で使うの。
ユザーン ハイカラな学校だったんだね。
坂本 そうね。なんだかお金持ちの子どもばっかりいる学校だった。それで、Macにはそのころから親しみを持ってて。その後11歳のときに、お父さんがMacを買って帰ってきたの。わたし用の。
ユザーン いいねぇ。うらやましい。
坂本 わたし用のメールアドレスも登録してくれて、「これをこうするとやり取りできる」みたいなことを教えてくれた。
ユザーン 優しいね!
坂本 それで「これからは父と娘の会話はメールだ」みたいに言われて、そして家庭から徐々にフェイドアウトしていった(笑)。
ユザーン 優しくないね(笑)。
坂本 でもまぁ、日本にいるときからほとんど家にはいなかったから。スタジオにいるんだろうなー、と思ってたんだけど。
ユザーン うん、この話もう止めようか(笑)。で、それからずっとMacを使ってるの?
坂本 そうだよ。矢野さん(母)もMacだし、ウチは誰もWindowsが使えない。それからも教授のお下がりのPowerBookをもらって使ってたし。
ユザーン 「教授」って本人を目の前にしてもそう呼んでるの?
坂本 本人がいても、第三者が同席しているときは絶対「教授」って呼んでる。ふたりだけのときはなんだろう……。「お父さん」かな。でも、ふたりにならないから。
ユザーン まぁそうだよね。俺も父親とふたりきりになる瞬間なんかほとんどないものな。
坂本 そうそう。それに、誰か一緒にいてくれたほうが話もできるもんね。ポストプレーみたいな感じで。
この続きはMacPeople 2012年2月号で!
U-zhaan(ユザーン)
インドの打楽器「タブラ」の奏者。ザキール・フセイン氏、オニンド・チャタルジー氏に師事するため毎年インドに出かけている。インドでつぶやいたTwitterのコメントをまとめた書籍「ムンバイなう。」((株)スペースシャワーネットワーク刊)が好評発売中
衣装協力:スクールグッズ・KURI-ORI
ヘアメイク:田中章二