Ultrabookは、インテルが提唱した新しいノートパソコンのフォームファクターであり、従来のノートパソコンに比べて薄くて軽いことが特徴である。だが、Ultrabookのコンセプトは単に“薄くて軽いノートパソコン”にとどまらない。パソコンの将来像を見据えたものであり、今後もプラットフォームにあわせて進化していくことになる。本特集では、2011年の年末商戦に向けて各社から出揃った、第1世代のUltrabookを紹介し、さまざまな角度から比較していきたい。
第1回では、本特集で取り上げるUltrabook 4製品の概要を紹介する。
13.3型Ultrabookで最軽量を実現
東芝 dynabook R631/28D
東芝の「dynabook R631/28D」は、同社初のUltrabookだが、これまでのdynabookシリーズで培ってきた薄型化技術が注ぎ込まれており、完成度は高い(関連記事)。本体のサイズは幅316×奥行き227×高さ8.3~15.9mmとスリムで、重さも約1.12kgと軽い。13.3型液晶ディスプレー搭載のUltrabookとしては、現時点で最軽量を誇る製品だ。ボディーはマグネシウム合金製で、高い剛性を実現。100kgf面加圧や76cm落下試験、30cc防滴試験をクリアしており、安心して持ち歩ける。
CPUには、超低電圧版のCore i5-2467M(1.60GHz)を搭載。メモリーは4GBで、増設はできない。ストレージとしては128GB SSDを搭載する。基本スペックはUltrabookとしては標準的で、インターネットの利用や文書作成といった一般的な作業を行なうには十分なパフォーマンスだ。液晶ディスプレーは13.3型ワイドサイズで、解像度は1366×768ドットである。ノングレアタイプの液晶パネルを採用しているため、外光の映り込みが少なく、長時間使っていても目の疲れが少ない。
キーボードは、アイソレーションタイプの全87キーで、キーピッチは約19mm、キーストロークは約1.2mmと十分なサイズだ。キータッチも良好で、快適にタイピングが可能である。また、キーボードにはバックライトが搭載されており、暗いところでもタイピングのミスを防げる。タッチパッドのクリックボタンが左右独立しているのも使いやすい。左右のクリックボタンの間には、指紋センサーが用意されている。
インターフェース類が充実している点も、R631の魅力だ。USB 2.0×2にUSB 3.0、HDMI出力などに加えて、有線LAN(Gigabit Ethernet)やアナログRGB出力も搭載している。厚さの制限が厳しいUltrabookでは、厚みのあるLANやD-Sub15ピンコネクターを実装するのは難しいのだが、dynabook R631では最厚部のゴム足部分にうまく実装することで、この問題をクリアしている。
オフィスやブロードバンド対応ホテルなどでは、LAN環境が用意されていることも多いが、LANアダプターを持ち歩かなくてもそのまま接続できるのは便利だ。無線通信機能としては、IEEE 802.11b/g/n対応無線LANとWiMAXをサポートする。現時点で発表されているUltrabookで、WiMAXをサポートしているのはR631のみだ。
公称バッテリー駆動時間は約9時間と長く、ACアダプターもコンパクトで軽い。実売価格は15万円前後とやや高めだが、Ultrabookで唯一「Microsoft Office Home and Busuiness 2010」がプリインストールされているので、そのことを考慮すれば十分納得できる価格だ。
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