CPU黒歴史AMD編の第4弾は「Barcelona」こと、初代「K10」の話をしたい。正式な開発コード名はともかく、発表当時は社内外でこのK10ベース「Opteron」の開発コード名であるBarcelonaが広く使われていたので、本稿でもこのBarcelonaを使って話を進めよう。
多くの改良を取りこんだBarcelona
Barcelonaという名前、そして細かな内部構造が初めて発表になったのは、2006年10月に開催された「Micro Processor Forum 2006」だったと記憶している。この時はAMDのベン・サンダー氏(Ben Sander、Principal Member of Technical Staff)が説明しており、その後同じ内容が2006年末に開催されたアナリスト向けミーティング「AMD Day 2006」でも発表されている。
この時点でのBarcelonaの主な特徴は、既存のK8コア(Athlon 64 X2)をベースに同じ65nm SOIプロセスを使いながら、以下の項目が改善点として挙げられた。
- ネイティブ・クアッドコア化
- IPCを改善
- 128bit SSE動作をサポート
- メモリー帯域を拡張
- 3次キャッシュを搭載
- 仮想化支援機能の搭載
- 電源管理機能を拡充
IPCに関する最大の目玉は、命令フェッチを最大32Byte/サイクルに広げたことである。ほかにもIPCについては、「Sideband Stack Optimizer」(後述)などいろいろな項目が並んでいる。
Sideband Stack Managerとは、インテルが「Dedicated Stack Manager」という名前でPentium Mから搭載したものとほぼ同じ機能で、PUSH/POPというレジスターの退避/復帰命令を、ALUを使わずに処理する機能である。IPCに関するそのほかの改良点は、おおむね既存の回路の改良といったところ。個々の要素が大きくIPCを引き上げるわけではないが、全体を組み合わせることでIPCの改善がある程度実現される、という話であった。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第889回
PC
なぜ巨大チップは歪んで壊れるのか? SK HynixのHBM4「MR-MUF」とTSMCのCoWoS-Lを襲う熱膨張の罠 -
第888回
PC
NVIDIA Rubin Ultra開発中止の真相! 180層CoWoS-Lの歪曲トラブルと、急造ラックNVL576に透ける苦肉の策 -
第887回
PC
AIなしではもはや限界 TSMCが明かすメモリー開発にAIが不可欠となった現実 -
第886回
PC
CFETの足を引っ張るPMOSを救え! imecが提案する新絶縁層と、あえて精度を緩める「Notch Alignment」の妙手 -
第885回
PC
TSMCも次世代「CFET」の全貌を披露! Forksheetスキップの背景と、世界最小6T SRAM実証で見えた2030年への布石 -
第884回
PC
Samsungが次世代CFETの試作に成功! IBMの10万ドル方式に対抗する、量産重視な「一括形成プロセス」のリアリティ -
第883回
PC
TSMCのA16プロセスの詳細が判明! 性能向上の主因はトランジスタではなく裏面電源供給(SPR)にあり? -
第882回
PC
IBMが0.7nmチップの製造に成功! 変態的CFET構造NanoStackの凄みと、あまりに高すぎる製造コストの壁 -
第881回
PC
同一周波数で消費電力18%削減! 進化した「Intel 18A-P」はどこが変わったのか? -
第880回
PC
次世代NVLinkの布石か? TSMCの光電融合技術「COUPE」がもたらすAIサーバーの光接続 -
第879回
PC
なぜAIには「光」が必要なのか? NVIDIAが解説するスケールアップネットワークの低遅延・省電力化戦略 - この連載の一覧へ











