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大河原克行が斬る「日本のIT業界」 第27回

パナソニックの最先端技術を知る

スマホ時代に真価を発揮する、多層基板技術ALIVHとは?

2011年10月17日 09時00分更新

文● 大河原克行

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ワンストップで提供できる強みを持つ

 実は、パナソニックには、もうひとつ他社にはない大きな特徴がある。

 それはPEDを中心としたパナソニックグループ全体で、スマートフォンの製品化に向けてあらゆる技術を有している点だ。

 例えばPEDでは、ALIVHのほかに、熱伝導性と柔軟性をもった高熱伝導素材を開発し、機器内部の温度上昇を抑えることができるほか、独自のFineLine技術による1mm以下の狭額縁を実現する静電容量フィルムタッチパネルを開発。さらに、モーションセンサー、モバイルスピーカー、レンズアクチュエーター、ノイズフィルタ、電気二重層キャパシタ、チップ抵抗器などを独自に製品化。これらを組み合わせた提供も可能となっている。

坂本氏 「PEDトータル、あるいはパナソニックトータルとして、スマートフォンに関するワンストップでの付加価値型提案が可能になる」

と、坂本ビジネスユニット長は胸を張る。

フレキシブル化にも着手、さらに進化するALIVH

 一方で、同社では、ALIVHのさらなる技術開発にも取り組んでいる。

 それがALIVH-Fである。

ALIVHシリーズのラインアップ。今後、ポリイミドフィルム素材を採用したALIVH-Fも投入する

 ALIVH-Fは、ポリイミドフィルム素材を採用した全層IVH構造のフレキシブル基板で、モバイル機器の実装空間の有効活用に貢献するという。これにより、さらに薄型化、軽量化したスマートフォンを製品化できるようになるのだ。

 機能や電池寿命を向上させながら、より薄いスマートフォンを製品化において、ALIVHの技術進化が大きく貢献することになるだろう。

坂本氏 「ALIVHの技術進化が理解され、多くのデバイスに搭載されやすい時代が到来したともいえる。ALIVHは、高精度積層技術やペーストビア形成などの『積層プロセス技術』と、独自の接続用高信頼性ペースト材料や、低残留応力のコンポジット材料、高い熱伝導を実現する樹脂材料、低応力積層基板といった『材料技術』、フィルドビアめっき技術、小径ビア接続技術、高精度パターン形成といった『めっき接続技術』によって実現される当社独自の技術。パナソニック独自の『尖った』技術ともいえる。

 さらに、高密度化によって、基板スペースを縮小でき、電池の大型化にも貢献できる。スマートフォンの高機能化による部品点数の増加、電池容量の向上といった課題解決にも寄与できる。ALIVHがスマートフォンの進化をドライブすることになる」

と自信をみせる。

 ALIVHはあまり表面には出てこない技術だが、スマートフォンの需要が拡大するなかで、パナソニックにとって、戦略的位置づけを担う隠れた差別化技術であるのは間違いない。

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