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モバイルビジネスは北米が中心に

ソニエリCTOが語る 「Android戦略は成功だった」

2011年06月09日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 数あるAndroid端末のメーカーの中でも、Sony Ericssonはいち早くAndroidを採用してハイエンド中心の製品ラインナップを構築した。今年はフラッグシップの「Xperia arc」以外にも、ゲーム機の要素を盛り込んだ冒険作「Xperia PLAY」で市場に挑む。

 5月、米シリコンバレーでスウェーデンEricssonが開催した「Ericsson Business Innovation Forum 2011」で、Sony EricssonのCTO、Jan Uddenfeldt氏がAndroid戦略と北米市場について語った。

Sony EricssonのCTO、Jan Uddenfeldt氏

スマートフォン、そして携帯電話市場全体を
牽引しているAndroid

 Uddenfeldt氏は、まず「携帯電話に大きな革命が起こっている」と述べる。もちろん、この革命とはiPhone以降のスマートフォンブームのことで「スマートフォンへの移行ピッチは驚くほど速い」という。それを示すものとして、2011年携帯電話の総出荷台数に占めるスマートフォンの比率が26%で、金額ベースでは60%にも上るという見積もりを紹介する。

 この牽引役はAndroidだ。Androidは2010年に6000万台を出荷し、2011年はさらに1億8000万台と予想されている。2014年には4億台に達する見込みで、「今後3年で6~7倍になる」と予測する。「iPhoneが市場を開拓したが、Androidが市場のリーダーとなった」と述べた。

 Sony Ericssonは2年半前にプラットフォーム戦略を変更し、Android採用に切り替えた。オープンなイノベーションを重視する狙いがあったとUddenfeldt氏は言う。Uddenfeldt氏はEricsson出身で、2010年6月にSony EricssonのCTOに就任したばかりだが、「Android採用は正解だった。イノベーションが起こっている」と満足げだ。

スマートフォンのブームで
モバイルビジネスの中心が北米に移った

 スマートフォンと同時に起こっているトレンドが、フォーカスが北米に移ったことだ。これまで欧州と日本が主導してきたモバイル市場だったが、「端末は中心が北米に移った」とUddenfeldt氏は述べる。この背景にはApple、そしてAndroidを開発するGoogleの存在が大きい。その上で動くアプリケーションやサービスも北米が中心になっている。また、Verizon Wirelessなどが開始したLTEがいち早く広がりつつあることも挙げられる。

アナログ時代はアメリカ、2Gではヨーロッパ、iモードや3Gでのデータ通信では日本と、モバイルビジネスの中心は移ってきたが、スマートフォンの時代はAppleやGoogleが大きな存在となり、LTEでも先行しているアメリカが中心と見る

 Uddenfeldt氏はこのようなトレンドを説明し、Sony Ericssonの戦略をAndroidと北米の2つの点で説明した。

 Android OSには最新バージョンを採用、独自UIの「UXP」、カメラ、画面、それにプレイステーションなどソニーグループが抱える技術の融合などにより、差別化できる端末を提供する。たとえば今年展開する6モデルの新世代Xperiaでは、他社に先駆けて「Android 2.3」(Gingerbread)を採用した。高品質やブランドも差別化要因となり、現在Sony Ericssonは多数の市場でトップのAndroidメーカーだとする。

 北米では、スウェーデン/東京/北京に次ぐ4番目の拠点をシリコンバレーに持っており、CTOであるUddenfeldt氏自身とチーフ・クリエーション・オフィサー(COO)の坂口立考氏が常駐して、ハイエンドにフォーカスした取り組みを進める。

 2月に発表したハイエンドのXperia PLAYは、そのシリコンバレーで生まれた初の端末となる。これとともに、欧州など他の市場と比べると弱い北米市場でのプレゼンス強化も図っていく。Xperia PLAYも北米で最初にローンチした。ゲームタイトルはローンチ時に約10タイトルをそろえており、今後も月10タイトルのペースで増やしていくという。

 もう1つの利点が、GoogleやFacebookなど多数のネットベンチャーがシリコンバレーを拠点としていることだ。GoogleとはAndroidへの貢献のほか、OSの分断化を防ぐツールなどの取り組みも共同で展開している。またFacebookとは連携アプリの「Facebook inside」を共同で開発、「Xperia mini pro」に搭載した。このほか、研究開発やサービスなどの活動も展開する。

 Uddenfeldt氏はこれらをまとめ、各社が標準OSを利用するスマートフォンでの戦いを「技術の競争」と形容する。Sony Ericssonは最新のAndroid、最新のプロセッサや無線技術を採用し、リードを図る狙いだ。

 プラットフォームについては、終始Androidを強調したUddenfeldt氏だが、Windows Phoneの選択肢も残しているという。「Symbianについては採用しない方針を明らかにしたが、Windows Mobile(Windows Phone)は可能性を残している。ただ、市場を見るとAndroidは離陸したが、Windows Phoneは離陸しておらず、社内で様子を見ているところだ」とコメントした。


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