スマートフォンが完全に主流に
LTEの登場で新しいビジネスの可能性も
端末ではスマートフォン、そしてタブレットのトレンドがある。アメリカでは2011年にスマートフォンがフィーチャーフォンの台数を上回ると言われており、実際にVerizonでも第1四半期に販売した端末の60%がスマートフォンだったという。
「スマートフォンではモバイルの利用がまったく異なる。スマートフォンが主流になるということは、われわれにとって大きな意味を持つ」と語る。LTEはこれを支えるだけでない。「スマートフォン時代、われわれが提供するサービスも変えていく。LTEは付加価値を提供するチャンスになる」と期待を託した。タブレット端末(同社は現在Motorolaの「Xoom」を提供する)については、スマートフォンと2台を持ち歩き、状況によって使い分けることになると予想した。
ネットワークを利用する端末は、これだけではない。TV、カメラ、車、スマートメーターなどがあり、マシン間通信(MtoM)も関係してくる。ここでも「将来も使える技術」としてLTEに投資している。「スマートメーターなどめったに取り替えない機器で古い技術を使った場合、取り替えコストは無駄だし、馬鹿にならない」として、LTEを利用することで、これまでは想像できないようなサービスが生まれることにも期待を寄せる。
アプリケーションでは「Android Market」「App Store」「BlackBerry App World」とプラットフォームベンダーが提供するアプリストアに加え、自社のアプリストア「V CAST Apps」も持つが、Higgins氏はこれらもネイティブアプリとHTML5などのWebアプリは共存するという見解を示した。
Higgins氏は「アプリで最も重要なのは発見」と言い切る。エンドユーザーにアプリが持つ価値を理解してもらい、わかりやすく入手できるようにすることが大切なのだという。
アプリに関連しては、モバイルトレンドについて話を聞いたベンチャーキャピタルのSofinnova VenturesのBrian Wilcove氏が指摘した「モバイルアプリは(PC時代のインターネットのように)無料が当たり前ではない」「Facebook、Groupon、Zyngaのようにデータを持つ企業が新しい世代の企業」の2点の特徴も挙げておきたい。
一方、LTEの技術面での“教訓”としては、Alcatel-LucentとともにVerizonにLTEのインフラを供給したEricssonは、LTEと3Gのシームレスなハンドオーバー、そしてイーサネット・バックホールの重要性を強調していた。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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