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Y2×VOCALOID CAFEレポート

秋葉原と六本木が一つになる日は近い(のか?)

2011年03月04日 12時00分更新

文● 盛田諒/ASCII.jp編集部

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電話、ファックス、メールの「次」を作る

―― 次にNET DUETTOです。NTTさんと組んだのはどんな狙いですか?

杉井 β版はサービスがベストエフォート(通信速度の保証がない状態)だったんです。そこをなんとかしようと。提案はBtoBですね。ライブハウス、スタジオ、教室……そこにコンサルとして関わり、何をやりたいかで方法を変えていきたいと思っていてます。

―― 現在、ニコニコ動画と初音ミクを中心に、ネット上で1つの音楽産業が生まれつつあると思います。そこに「ライブ」の面で、NET DUETTOから関わっていきたいと?

杉井 「ニコ生セッション♪」でUminekoさんに使ってもらったこともありましたし、ライブの要素は確かにあります。ただ、「どこにいる人とでも一緒に」というのがポイントなので、そこさえ押さえていればどう使ってもらってもいいんですよ。

ニコ生セッション♪ : ニコニコ動画の生放送「ニコニコ生放送」上でNET DUETTOを使ったサービス

カシオペアの向谷実さん(Key)は会場で、NET DUETTOで東京-大阪をつないだライブを披露。16分音符裏打ちのフュージョン(タイミングが合わないときついのである)もサラッと弾きこなした

―― というと?

杉井 NET DUETTOは「インフラ」なんです。楽器にもパソコンにも、自宅のインターフォンにも入っていていいと思うんです。突き詰めれば、本質的にはコミュニケーションの質を変えるもの。通信を介することでコミュニケーションがとりやすくなる。

―― デュエットというと音楽限定のようにも聞こえますが、それだけではない?

杉井 デュエットというのは、コミュニケーションの奥深さを表わしてるんですよね。たとえばぼくがそばにいる彼の腕をつかもうとしたとします。すると彼は腕を出してくれるわけですよ、空気を読んで。その空気感まで伝えられるのがNET DUETTOなんです。デュエットといえば、Skypeで「カエルのうた」を合唱しようとすると(遅延に)驚きますよ。

―― Skypeといえば、スマートフォンのアプリで「通話」の概念を変えつつあります。そこにも視野を広げているんでしょうか?

杉井 もちろんその可能性は考えています。コミュニケーションの段階として、電話やファックス、メールはまだ用件を伝えるレベルでしたよね。そこを超えて、存在感を伝えるところまでいけるんじゃないかと。

―― すぐそばにいるようなコミュニケーションこそが「ライブ」なんだと?

杉井 そうです。ライブというのはまさに「生きている」ということなので、相手の体温が伝わるコミュニケーションができる新しいインフラになっていくんじゃないかと思うんです。

(次のページに続く)

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