東京・六本木ヒルズの足元にいま、なぜかアキバ系のカフェができている。その名もズバリ「VOCALOID CAFE」(ボーカロイドカフェ)!
3月3日から9日までの1週間限定ながら、その作りはかなり「本気」だ。従業員はもちろん全員コスプレ。「例のネギチャーハン」「巡るたこ焼き」など、DTMソフト・ボーカロイドシリーズに使われたキャラクターのパロディメニューも並んでいる。
このカフェ、本気なのはもちろんコスプレだけじゃない。ボーカロイドを開発したヤマハの研究開発部門「Y2 PROJECT」がリリースする新技術のお披露目パーティーも兼ねている。
遠いところにいるミュージシャン同士がオンラインで合奏できる「NET DUETTO」(2010年)に続く発表は2つ。1つはNET DUETTOに関するNTTとの協業、そしてもう1つは、「グッとくる音楽体験」を掲げる技術「sonote technology」(ソノートテクノロジー)だ。
カフェの奥に展示してあるのは、sonoteを使ったiPhoneアプリ「Sonote Player」(発売日未定)。ループパターンからアタックなどの「グッとくる」部分を検出し、それを似たような別の音に置き換えられるふしぎなプレーヤーだ。
これはいったい何なのか。そもそも、なぜ六本木でこんなイベントを開催しているのか? その内容と狙いについて、開発戦略室の杉井清久氏に聞いた。
シブヤ系とアキバ系を1つにした
―― どうしてこんなカフェを作ったんですか?
杉井 ボーカロイドを知ってほしいということがまず1つで、もう1つは開発のやり方です。
いきなり「新商品でーす!」とドーンと発表するのではなく、技術をこまめに出していく。特にY2 PROJECTではNET DUETTOのようにネットワークインフラを使ったものが多いので、楽器に組み込まれて発表、というものではないんですよね。
―― 六本木の中でもイベントスペース・umuを選んだのはなぜですか?
杉井 umuさんは六本木という場所にありながら、同人イベントも行なうなど、様々なカルチャーを扱うイベントスペースです。当初は、去年もやっていた春のお披露目イベント「Y2 SPRING」の開催場所を探していたのですが、ちょうどumuさんの会場をこのタイミングでお借りできることとなりました。
われわれとしても最近、「VOCALOID STORE」※で色々なイベントなどをしていることもあり、どうせならボーカロイド文化の一端をご紹介できる場所を1週間ご提供しようと。技術だけでなくそこから派生した文化をカフェというスタイルで体感していただきたいと考えました。
※ VOCALOID STORE : ボーカロイド関連のオンラインショップ。2010年7月オープン
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