マイクロソフトは、スクロール部にタッチセンサー、トラッキングセンサー部にBlueTrack Technologyを採用した「Microsoft Arc Touch mouse」(アーク タッチ マウス)を発表した。価格は6930円で、発売は2011年1月28日。
この発表に先立つ形で、Arc Touch Mouseと、16:9で撮影できるフルハイビジョン対応のウェブカメラ「LifeCam Studio」に関するメディア向け説明会が開催された(LifeCam Studioの価格/発売日など、詳細は後日発表予定)。
マイクロソフト ホーム&エンターテイメント事業部 リテールビジネス事業部長 執行役・五十嵐章氏は、同社の周辺機器製品は幅広いユーザー調査とテストを経て、世界50ヵ国で発売されているという現状を語った。会場で公開された2製品も、世界中で使われることを想定して開発されたという。
まるで薄型携帯電話!?
タッチセンサーつき変形マウス
続いて登壇した開発統括部 品質管理グループ・水谷祐一氏によって、新製品デモンストレーションが行なわれた。
Arc Touch Mouseは、現在発売中の「Arc Mouse」を進化させた製品。最大の特徴はマウスホイールがなく、その代わりに「タッチ ストリップ」と名付けられたタッチセンサーを搭載している。このセンサーを指でなぞると、ホイールを転がしているかのような操作ができる。また、タッチ ストリップ上でのダブルタップや上端/下端のタップによって、ホイールボタンの操作やページアップ/ダウンと同等の操作も可能だ。
デモンストレーション中に水谷氏は、「タッチ ストリップは従来のマウスホイールに比べて4倍の精度で動きの検出ができる」と語った。これにはアプリケーション側が対応する必要があるが、最適化されていれば指の微妙な動きでアプリケーションを操作できるようになる。今後、どのようなソフトウェアが対応してくるのかも注目したい。
Arc Touch Mouseは本体のデザインも特徴的だ。電源オフ時は、ペラペラでまるで薄型携帯電話のような形をしているが、電源オンにして利用する際は弧を描いたような形状に変形させる。曲げられる角度は2段階に設定でき、ユーザーの手のカーブに応じて使い分けられる。変形させるときに「パキッ!」と音がするので耐久性が気になるが、関節を持たない特殊な構造をしているため、なんと4万回以上曲げても壊れないそうだ。
なお、ワイヤレスレシーバーは「モバイルマウス」シリーズでもおなじみの「ナノ トランシーバー」を採用。紛失しそうなくらい小型のレシーバーだが、使わないときはArc Touch Mouse底面にあるマグネット式ホルダーに取り付けられるようになっている。
Arc Touch Mouseは、ユニークなデザインだけでなく、携帯性に優れ、耐久性も高い。出先でマウスを使う機会が多い人には最適な製品となりそうだ。
フルHD対応の小型ウェブカメラ「LifeCam Studio」
公開されたもうひとつの新製品は、縦横比16:9のフルHD対応ウェブカメラ「LifeCam Studio」。コンパクトな筒状のボディーながら、撮影最高解像度は1920×1080の30フレーム/秒。レンズに反射防止コーティングを施したガラスレンズを2枚使用することで、フレアやゴーストを軽減させている。メカニカルフォーカスを搭載しており、最短10cmから無限遠まで撮影可能。さらに、本体上部にはノイズキャンセル機能付きのマイクが搭載されている。
カメラのアーム部分はグネグネと曲がり、液晶ディスプレーのベゼルなどをはさむように取り付けられるようになっている。素材はゴム製なので、ディスプレーに取り付けても傷をつけることはない。またアームの下面にはネジ穴があいており、三脚を使った定点撮影も可能だ。
画質は、Webカメラとは思えないほどクリアーな映像を撮影できる。新たに開発されたソフトウェア「TrueColorテクノロジ」に対応しており、ソフトウェアで露出をコントロールしたり、ブラックレベルやカラーバランスも自動補正も行なえる。水谷氏はデモンストレーションで露出補正のオン/オフを切り替えて見せたが、差は歴然だった。特に人間の顔や肌の色はキレイに表現されるようだ。
最近は個人でもネットを介した生中継が行なわれている。美しい映像で、なおかつ16:9のワイド画面で中継したいという場合には最適だろう。