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トラブルを防ぐ決済方法の選び方 (8/8)

2010年10月12日 10時01分更新

文●市川智茂(漫画)、株式会社サーフボード(原作)

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田嶋校長のワンポイントアドバイス

決済方法はお客さまの都合も考えて

田嶋節和
株式会社サーフボード代表取締役/Webマスタースクール校長


 お客様からどのようにして代金を回収するかは、ネットショップにとって大きな課題。注文時に選択できる決済方法が多いほどお客様の利便性は高くなりますが、比例してシステムを構築したり、決済代行サービスを利用したりするためのコストがかかります。

 おすすめは、ネットショップ立ち上げ当初は代金引換、銀行振込、郵便振替の3つを押さえておき、あとは必要に応じて増やしていくこと。最近では、ネット上だけで手続きが完了するクレジットカードを利用するお客様も増えているので、ある程度実績を積んだら検討するとよいでしょう。クレジットカードを保有できない10代の若いお客様がターゲットの場合はコンビニ決済も検討しましょう。

 以下に、代表的な決済方法の特徴をまとめます。それぞれのメリット/デメリットを見極め、自店に合った最適な方法を選択しましょう。


代表的な決済方法

決済方法 特徴 メリット デメリット 1件当たりの手数料【手数料の負担者】
代金引換(宅配業者と郵便) 商品受け取り時に支払う。宅配業者によっては、現金のほか、デビットカードやクレジットカードにも対応している。 商品確認後に決済できるので利用者には安心。 商品到着時に在宅の必要がある。利用者が不在で受け取り拒否の場合、処理が煩雑。ギフトなど注文主と送り先が違う場合は利用できない。 初期費用はなし。宅配業者の場合、315円〜。郵便の場合、250円〜。【客側負担】
銀行振込/郵便振替 注文後または商品到着後に指定口座に振込む。 初期費用があまりかからず、個人、法人を問わず利用できる。 銀行振込は割高。郵便振替は手数料が安い。利用者が金融機関へ出向く必要があり、その場で支払えない。入金照会が煩雑で、未入金者への対応が発生する。 初期費用はなし。銀行振込は0〜840円。郵便振替は60〜120円。【客側負担】
クレジットカード(オンライン) 注文時に支払う。利用者にクレジット番号を入力してもらいカード会社にリアルタイムでオーソライズ(認めること、公認すること)を受ける。 ネット上だけで取引が完了する。システムにもよるが多くの場合、個人情報を管理する必要がない。 利用者がカード所持者(満18歳以上など条件あり)に限定される。ショップ側に手数料が発生する。 初期費用はあり。販売代金の3〜7%程度(カード会社や決済サービス会社によって異なる)。【ショップ側負担】
コンビニ決済 支払伝票を注文時にWebページに表示して利用者に印刷してもらうか、商品に添付した支払伝票を利用者が到着後にコンビニに持参して支払う 利用者が限定されず、365日24時間決済できる。 利用者がコンビニへ出向く必要があり、その場で支払えない。入金照会が煩雑で未入金者への対応が発生する。 初期費用はあり。150〜500円。ほかに月額基本料がかかる場合がある【ショップ側負担】

「先払い」か「後払い」か?

 決済方法と併せて、支払い時期を「先払い」だけに絞るか、「後払い」を認めるか、迷う方も多いでしょう。先払いのメリットは代金回収が早く、確実なこと。反面、ショップの知名度が低いうちはお客様が購入をためらう場合があります。一方、後払いはお客様の不安が少なく、購入に結び付きやすいメリットがありますが、未入金などのトラブルが起こりやすく、入金管理や督促などに手間がかかるのが難点です。

 そこで、それぞれのデメリットを払しょくする工夫を考えましょう。先払いであれば、サイト上で実績をアピールするなど、お客様の不安を取り除く店の雰囲気作りが大切です。また、後払いであれば、初回の注文は先払いのみとしたり、高額注文の場合は電話で事前に確認を入れたりといった未回収を防ぐ仕組みを整備しましょう。

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