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FCoEもiSCSIも同時に使える10GbEアダプタ

QLogic、マルチプロトコルを同時実行可能なCNA投入

2010年10月08日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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米キューロジック(以下、QLogic)は第3世代を謳う10GbE(10Gbps Ethernet)対応CNA(Converged Network Adaptor)製品群を発表した。複数のプロトコルを同時に実行できるほか、さまざまな仮想化環境にも対応し、製品としての魅力を高めた。米QLogic日本事務所において、新製品の概要や魅力について聞いた。

ワンチップで同時実行がミソ

 CNAとは、複数の異なるプロトコルを処理可能な統合型のインターフェイスで、EthernetやTCP/IP、ファイバチャネル(FC)のほか、FCoE、iSCSIなどを単一のアダプタで処理可能にする。今回、QLogicではTCP/IP、iSCSI、FCoEなどのトラフィックを同時に処理できるCNA「8200シリーズ」のほか、統合型チップ「8200シリーズ cLOM(converged LAN On Motherboard)」、10GbEアダプタ「3200シリーズ」を投入した。日本では年内に提供開始となる。

10GbE CNA 8200シリーズ

CNAの8200のcLOM

 8200シリーズのポイントは、ワンチップで複数のプロトコルを同時実行できるところ。「たとえば、FCoEとiSCSIのストレージを同時に使うことが可能になります」(OEM営業 ディレクター 山野洋幸氏)とのこと。競合ベンダーのCNAのように、プロトコルごとの別途ライセンス購入やモジュールのダウンロードは必要なく、ハードウェアによるオフロード処理やデータ暗号化にも対応するという。

 もう1つの特徴が、仮想化への対応だ。現状の仮想化環境では、ハイパーバイザーが仮想マシンを調整することで、物理インターフェイスを共用を実現している。これに対して、各ベンダーは仮想マシン単位に仮想インターフェイスを割り振るべく、NIV(VNtag)、VEPA/VEB、SR-IOVなどの規格化を進めているところだ。これに対してQLogicの新CNAでは、これらネットワーク仮想化の規格にすべて対応するとともに、OSに依存しないNPAR(NIC Partiton)をサポートしている。NPARにより、「2つのポートを8個のNICに見せることができ、それぞれの仮想NICにバンド幅を割り当てることも可能」(システムエンジニア 矢田士朗氏)になるという。

幅広いOEM先で採用される

 QLogicは、高いシェアを誇るFCアダプタやHPC向けのInfinibandなどの製品とともに、このCNAの分野に注力しており、2位のエミュレックスにも大きく水を空けている状況だという。製品に関しては、HPやデル、IBM、日立、EMC、ネットアップ、シスコなどに幅広くOEM提供を行なっており、同社のビジネスの源泉となっている。また、CNAのビジネスを進めるにあたって、10GbEアダプタの顧客も新たに獲得。10GbEアダプタの市場に際しては、「チェルシオ(Chelsio)、ネテリオン(Neterion)などの新興ベンダーも強いのですが、私たちはインテルに次いで2位になりました」(日本代表 安田稔氏)という状況だ。これは市場への製品投入が早かったため「CNAならQlogic」というイメージがついたこと、そして買収したネットゼン(NetXen)の10GbEアダプタがHPで採用されていたことが大きかったようだ。

(左から)QLogic 日本事務所 システムエンジニア 矢田 士朗氏、日本代表 安田稔氏、OEM営業 ディレクター 山野洋幸氏

 単価の下落率が急激で、銅線規格の標準化が早かった1Gbps Ethernetに比べて、10GbEの普及はかなり緩やかだ。これに対し、矢田氏は「やはり現状、10GbEはデータセンター内での利用にとどまっています。しかし、今後インテルのSandy Bridge世代でマザーボードに10GbEチップが標準搭載され、銅線規格の10GBASE-Tの省電力性能が向上すれば、急速に普及する可能性があります」(矢田氏)という意見を述べている。これを見据えて10GBASE-T製品のリリース計画もあるほか、規格化されたばかりの16Gbps FC、そして40GbEも100GbEもロードマップには入っているという。

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