出版社に求められるオープンフォーマット化と脱DRM
一方、グーグルのサービスにも弱点がないわけでもない。
iPadやKindle、そしてAndroid搭載のデバイスなど、電子書籍端末のリーダーアプリで、オフラインでもダウンロードした書籍を読みたいというニーズは大きいはずだ。例えば、飛行機の中ではまだまだネット接続は気軽に行なえない。
これに関しては記者会見で、HTML5の機能を使うことでオフラインでも読めるようになる予定とのコメントがあった。具体的な対応策や開始日についてはグーグルから追ってアナウンスがあるだろうが、ここはサービス開始時点からの対応を期待したいところだ。
また、Googleエディションではパートナーに対して、EPUBでの有償ダウンロードを提供するかどうかの選択肢も用意されている。ダウンロードするファイルには、AdobeのDRM(ダウンロードした端末のみでの再生を可能にする制限)をかけることも可能だが、そうした場合、対応しない端末ではそのEPUBデータを読み込むことができない。
グーグルの担当者は、「音楽の世界同様、(電子書籍でも)いずれDRMを付与することにあまり意味はなくなっていく」と語る。YouTubeのようにストリーミング方式での書籍閲覧の仕組みも整備していく予定もあるとのことだ。
しかし、国内の出版社は、携帯コミックでのDRMの仕組みに馴染みがある一方、EPUBなどのオープンフォーマットがどのようにビジネスに影響を与えるか、まだ手探り状態でもあり、この部分は戸惑いが生まれる部分とも言えそうだ。
レコメンドなど、ソーシャル機能の追加に期待
ところで、前回の連載で取り上げたように、グーグルはソーシャルサービスでは必ずしも成功しているとは言えない。
「検索キーワード」から生まれる本との出会いは、あくまでも、自分の関心の狭い枠を出ることはない。自分の友人がどんな本のどんな部分を読んでいるのか、といった要素から生まれる予想外の本との出会いを演出するためには、それなりのレコメンド的機能が必要になる。しかし今回の発表でそういった機能は言及されなかった。
出版社の支持を取り付けた後には、肝心の読者からのニーズに応えていくことが求められるだろう。
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