エコ、管理性などを追求
Elite 8000シリーズ全体の訴求ポイントに、エコがある。今回紹介するUSの場合、23.7Wとなっており、アイドル時40W程度が普通の他社製品と比較してかなり低く抑えられている。より大型の筺体となるSF・MTでも80PLUS GOLD対応(電源変換効率は公称89%)の高効率電源を内蔵している。エコはElite 8000シリーズ共通の特徴と言えるだろう。
さらに、システムボードの設計やBIOSの細かな設定項目、ファン動作スピードの最適化(動作音や負荷などに考慮)などさまざまなノウハウを盛り込み、低消費電力と静穏性の両立にも配慮している。
また、セキュリティーや管理性の改善にも積極的に取り組んでいる。例えば、HP Protect Toolsではドライブロックのほか、ユーザーごとのデバイスアクセス制限の管理、セキュリティーチップによるデータの暗号化、不要ファイルの安全消去機能などを提供する。
ちなみに本機より大きなSFおよびMTでは、ハードウェア盗難防止のための施策として、スマートカバーロックも搭載している。これは、物理的ではなくBIOSレベルで本体側面のカバーをロックする機能だ。管理を個人任せにせず、クライアントオートメーションでリモート管理して、導入時に一斉に筺体に施錠することも可能だ。
安価になったSSDを積極的に搭載したい
最後にベンチマークテストの結果を掲載する。
デモ機はCore 2 Duo E8400(3GHz)、2GBメモリーを装備しており、ストレージに関しては、2.5インチHDDとSSDの両方を比較することができた。CPUに関しては、上位のE8500(3.16GHz)への変更も可能で、メモリーはノート用のSO-DIMMを最大8GBまで積むことができる。OSは、評価機のWindows 7 ProfessionalのほかWindows 7 Home Premium、Windows Vista Home Basic、Windows XP Professionalなどが選べる。
HP Compaq 8000 Elite Desktop PC(US) のベンチマーク結果 |
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Windowsエクスペリエンスインデックス | |||
製品名 | Elite 8000(SSD) | Elite 8000(HDD) | Optiplex 780 |
プロセッサ | 6.4 | 6.5 | 6.7 |
メモリ | 5.5 | 5.5 | 5.9 |
グラフィックス | 4.0 | 4.1 | 4.5 |
ゲーム用グラフィックス | 3.5 | 3.5 | 3.5 |
プライマリハードディスク | 6.8 | 5.9 | 7.3 |
CrystalDiskMark | |||
シーケンシャルリード | 211.5 | 69.61 | 203.1 |
シーケンシャルライト | 134.5 | 66.12 | 119.7 |
ランダムリード512KB | 172.1 | 31.91 | 160.9 |
ランダムライト512KB | 107.7 | 43.46 | 83.08 |
ランダムリード4KB | 21.61 | 0.484 | 23.16 |
ランダムライト4KB | 6.152 | 1.057 | 6.321 |
CrystalMark 2004R3 | |||
Mark | 129919 | 95150 | 123690 |
ALU | 29448 | 29499 | 33790 |
FPU | 44355 | 26830 | 29136 |
MEM | 16271 | 15929 | 17875 |
HDD | 26273 | 9155 | 25492 |
GDI | 9055 | 9183 | 12632 |
D2D | 2029 | 2027 | 2008 |
OGL | 2488 | 2527 | 2757 |
参考までにCore 2 Duo E8600(3.33GHz)、デスクトップ用メモリーを4GBを搭載したOptiplex 780USFFの結果も合わせて掲載するが、スペックの差があるため、あくまでも参考程度にとどめてほしい。CPUクロックの相違とメモリーの違いで性能に差が出ている。
ストレージに関しては、160GBと250GBのHDD(7200回転)または、64GB のSSDが選択できるが、体感速度では圧倒的にSSDが優れている。特に注目したいのが起動時間の速さだ。Windows 7とSSDを組み合わせることで、HDDモデルに比べて体感できるほどの差が出てくる。また、消費電力も条件によるが7~8W下がる場合があるという。SSDはサムスン製で、64GBと容量的には少なめだが、HDD 160GBからSSD 64GBに変更しても、差額は8400円と非常に少ない。
なお、上記SSD構成での販売価格は12万1800円(配送料別)となる。
ノートパソコンから導入が進んだSSDだが、低価格・高容量化が進んだ現在では、エントリーデスクトップでも積極的に導入できる時期に来たと言えるだろう。
HP Compaq 8000 Elite Desktop PCのUS筺体はデザイン性にも優れ、縦位置・横位置の置き方に加え、ディスプレーと一体化できるなど設置の柔軟性も高い。現状ではディスプレーマウント用のスタンドしか選択できないが、この筺体であればショールームなどに壁面設置して、インスタレーションやデジタルサイネージ的に使うといった用途もありうるかもしれない。こうしたオプションの追加もぜひ期待したい。