田嶋校長のワンポイントアドバイス
ネットショップのブランド化
田嶋節和
株式会社サーフボード代表取締役/Webマスタースクール校長
ネットショップが物珍しかった時代は終わり、いまやあらゆるものがネットで買えるようになりました。それでもネットショップを開設する企業は増え続け、競争はさらに激化しています。したがって、中小のネットショップ経営者は、“マス”を相手にした大手企業の商売を真似しないように心がけましょう。薄利多売の熾烈な価格競争に巻き込まれてしまったら最後、規模の小さなネットショップに勝ち目はありません。
目指すべきは、付加価値を付けた「ブランド化」です。ブランド化には以下の1~14のいずれかのシナリオが有効です。
「強いネットショップ」を作る14のシナリオ
- 「地域」そのもののブランド化。たとえば、歴史(京都、尾道)、自然(北海道、沖縄)、産地(魚沼産コシヒカリ、福井の越前和紙)など
- 原材料や製造環境(水、空気、土地、風土)へのこだわり。仕入れ商品の場合は、産地やメーカーへのこだわりを打ち出す
- 特定商品の品ぞろえと関連商品の充実。たとえば味噌屋さんの場合、豊富な種類の味噌を揃えたうえで、ダシやみそ汁の具なども用意する
- 芸能人、スポーツ選手などの著名人による推薦。著名人が自店の商品を愛用している場合は、「お客様の声」として掲載する
- 商品の製造過程に関する環境配慮、安全、リサイクルなどへのこだわりを伝える
- 商品開発の物語化。「プロジェクトX」のようにストーリーを演出する
- お客様に「良かった」と言わせるサービス。冷凍技術や梱包、配送方法などを工夫する
- 信頼感の醸成。お客様の声、商品やサービスに対する評価を掲載する
- 創業者や経営者のこだわり。経営理念やポリシーなど、商売にかける情熱を表現する
- 社員、職人が持つ独自の技術、輝かしい実績を掲載する
- 実店舗の歴史や伝統、建物の立地、造形などの特徴を説明する
- 企業としての実績。会社発展の推移や沿革を紹介する
- 農林大臣賞や経産大臣賞、県知事賞などの受賞。受賞履歴を掲載する
- 新聞や雑誌などのマスコミへの掲載。掲載記事はニューススクラップとしてまとめる
自社がどれに該当するか、どのシナリオなら不自然さがなく自社に適用できそうかを考え、自店の具体的な「強み」「ウリ」を明確にし、文書にして経営者からお客様まで、シナリオを共有できるようにしておきましょう。