「炎上」は、ネットで何かしらの活動をしているほとんどの人に恐れられている。
不用意な発言や犯罪自慢、誤解を招くような表現に気をつけても、関連する人物や企業の不祥事から飛び火したり、単なる妬みから燃えだすケースもあり、発火を100%防ぐ手立てはない。これまで数多のサイトやブログが炎上によって閉鎖や停止を余儀なくされ、人生設計が狂った人さえいる。
一方で、度重なる炎上を経て存在感を高めているサイトもある。秒刊SUNDAYは、その代表格といえるだろう。
2003年にスタートした同サイトは、無銭乗車の方法を匂わす記事や炎上させて楽しむことを肯定する記事、「おいしくなくて、全部食べなかったら代金はいただきません」というロッテリアのキャンペーンで返金を実践するレポートなど、過激なネタを投じてたびたび炎上を起こした。2009年末には、そのロッテリアの件の炎上騒ぎから閉鎖宣言をするにいたったが、その翌日から普通に記事をアップし続けるなど、反感をものともしない独特の運営方法をとっている。
各炎上事件をみていくと、炎上を免れたり鎮火に向かう分岐点であえて叩かれる側に進んでいるようにもみえる。意図的に炎上させているとしたら、その狙いは何か。顔の見えるインターネット 第63回は、秒刊SUNDAY管理人の湯川晃氏に話を伺った。

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