12月12日、シトリックス・システムズ・ジャパンはデスクトップ仮想化製品「Citrix XenDesktop」と「Citrix XenApp」がKDDI社内の在宅勤務制度において採用され、本格稼働を開始したと発表した。KDDIの在宅勤務制度は2009年4月より始まっており、XenDesktopとXenAppを組み合わせたシステムにより、約300人が同時に在宅勤務とリモートアクセスを利用できるテレワークシステムを構築したという。
在宅勤務のシステム構築には、「厳格な本人認証や利用場所の特定を行い、PCにデータを残さないことでセキュリティを確保しつつ、サイズの大きなファイルでもスムーズにやり取りができるような、社内と同等の業務環境を実現すること」が要件になっていた。そこでシトリックスでは、在宅勤務システム用にデスクトップ仮想化製品であるXenDesktopを提案。ユーザーのデスクトップ環境をサーバー仮想化環境である「XenServer」の仮想OS上に構築し、仮想化されたデスクトップ環境をユーザーのPCに配信する仕組みを構築した。
シトリックスはこの在宅勤務のポイントとして、
- GPS機能による位置特定や本人認証の実行後、VPNを通じてXenDesktopにより利用者ごとのデスクトップ環境を配信
- オフィスと同じデスクトップ環境を配信することで、ユーザーは業務に必要なすべてのアプリケーションの利用が可能
- 利用者に配信するデスクトップ環境のひな形の作成・管理をCitrix Provisioning Serverを使うことで効率化
- 低帯域幅でも高速な画面表示が可能な「ICA(Independent Computing Architecture)プロトコル」により、快適な利用環境を実現
を挙げている。
テレワークシステムは、在宅勤務だけでなく、社員が外出時や出張先で利用できるリモートアクセスにも対応する。リモートアクセスにおいてはXenAppを採用することで、端末紛失時の情報漏えい対策などのセキュリティ確保。ファイルのやり取りやアクセスにストレスを感じさせない操作性を実現している。また、利用場所の制限を行なわない代わりに、利用できるアプリケーションや接続できるサーバーを制限する措置も行なっているという。
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