このページの本文へ

モバイル環境の本命! WILLCOM CORE XGPを試す

2009年12月04日 12時00分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

2.5GHz帯を利用したワイヤレスブロードバンドサービスが広まっているが、その中で大きな期待を集めているのが「WILLCOM CORE XGP」である。今回、改めて特徴と現状をレポートしたい。

マイクロセル方式により効率的なトラフィック分散を実現

 ワイヤレスブロードバンドサービスの多様化により、外出先でも気軽にインターネットを利用できるようになった。しかし通信インフラは進化し続けており、新たなサービスが続々と登場している。

今回借りることができた「GX001N」

 そうしたモバイル環境でのインターネット接続サービスにおいて、現在注目を集めているのがウィルコムの「WILLCOM CORE XGP」である。2.5GHz帯の周波数を利用する無線ブロードバンドサービスで、通信速度は上り下りのいずれも20Mbpsを実現する。

 注目を集めている理由の1つが、多くの基地局でエリアをカバーするマイクロセル方式が採用されている点だ。このマイクロセル方式は、あるエリア内にユーザーが集中しても、そこをカバーしている複数の基地局でトラフィックを分散することが可能である。

 たとえば、基地局Aと基地局Bがカバーしているエリアで、基地局Aを複数のユーザーが使っていて混雑している場合、自動的に基地局Bに切り替えるといった具合だ。特に都心部など、ユーザーが多いところでワイヤレスブロードバンド回線を利用していて、突然スループットが低下したという経験を持つユーザーは多いと思うが、マイクロセル方式のXGPであれば、ユーザーが増えてもスループットが落ちにくい。快適さの観点から考えると、このメリットが持つ意義は大きい。

 また下りだけでなく、上りが高速なことも注目される理由だ。特に仕事で使うことを考えた場合、たとえば外出先で作成した資料をメールに添付して送付するなど、データを受信するだけでなく送信することも多い。こうした作業がスムースに行えるのは、XGPの大きなメリットであると言える。


価格設定も魅力的

 ウィルコムでは、10月1日にこのWILLCOM CORE XGPの400人限定でサービス提供に踏み切っている(すでに受付は終了している)。現在のサービスエリアは山手線の内側が中心となっているが、ウィルコムが持つPHS基地局を流用してXGPの基地局とすることも可能なため、今後のエリア拡大にも十分期待が持てる。

GX001Nのユーティリティを使って接続しているところ

 サービス利用料は月額4380円で、別途ウィルコムのインターネット接続サービス「PRIN」の利用料945円が発生する。現状の多くのワイヤレスブロードバンドサービスと同等の価格帯であり、上り下りともに20Mbpsと高速なことを考えれば魅力的な価格設定と言えるだろう。

 通信端末として現状提供されているのは、NECインフロンティア製の「GX001N」で、CardBus対応のTypeIIスロットに差し込めば利用できる。なお通信チップ自体はUSBインターフェイスとなっているようで、ブリッジを介して接続する形態となっている。本格的なサービスが開始されれば、USBタイプの通信端末が登場するのではないだろうか。


実測値で10Mbps超えを実現!

 さて、今回評価用にGX001Nを借りることができたので、早速テストしてみた。用意したPCはWindows XP SP3をインストールしているThinkPad T42で、MTUとRWINの値をXGPで推奨されている値(MTU:1500、RWIN:13万1400)に設定している。

 今回テストを行ったのは、アスキー・メディアワークスのオフィスからほど近い新宿アイランドビル近辺。計測には「RBB Speedtest」を利用した。計測は3回行い、その平均値を出している。

 実際の速度を見てみると、下りは10.24Mbpsでさすがに理論値には及ばないものの、Webサイトの閲覧やメールの送受信においては何ら不満のない速度を実現している。実際にWebサイトを閲覧したり、数十MBクラスのファイルをダウンロードしたときの体感速度もかなり速い。

 XGPでは上り速度が速いことが大きな特徴だが、実測したところ5.92Mbpsとなった。上りほどの速度は出なかったものの、数MB程度のデータなら気軽に送信できる。今後クラウド型のサービスが広まり、インターネット上のサーバと頻繁にやり取りするようなアプリケーションが増えれば、この上り速度は大きなアドバンテージとなりそうだ。


固定ブロードバンド回線との置き換えも

 上り下りともに20Mbpsの通信速度を持ち、またマイクロセル方式により利用者が増えてもスループットが落ちないメリットは大きい。多くのユーザーが心配しているのは、今後エリアがどのように拡大していくのかだと思うが、既存PHS基地局を有効に利用して幅広いエリアがサポートされるのは間違いないだろう。

 エリアが拡大されれば、単にモバイル環境で利用するだけでなく、光ファイバなどの代わりに自宅で利用するということも当然視野に入ってくる。確かに通信速度では光ファイバにアドバンテージがあるが、頻繁に大きなデータをダウンロードするような用途でなければ、20Mbpsでもそれほど不満は感じないはずだ。それよりも通信料金を大幅に圧縮できるメリットの方が大きい。

 いずれにしてもWILLCOM CORE XGPの魅力は大きい。今から本格的なサービスの開始を心待ちにしたい。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

最新記事

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン