D2入力の画質も専用に最適化
Z9000シリーズには、Wii、PS2、PSPといったSD画質のゲーム機をプレイするゲーマー向けに、D2入力に特化した高画質化機能も搭載されている。例えば、黒い画面に白いスコアが表示される部分で、色にじみが気になったことはないだろうか? Z9000シリーズでは、この色にじみ対しても根本から対策を行っている。
デジタル映像信号を処理する際には、負荷低減のために映像信号の一部を間引きすることがある。例えば4:2:2であれば色信号は2画素に1つずつしかない。高画質と言われるデジタル放送でも4:2:0と4画素に1つしか記録していない。テレビ内部で信号が間引かれると、色にじみが発生する原因になる。Z9000では、色の帯域を制限せず、すべての4:4:4で処理することで、色変換に起因する色にじみを原理的に排除している。
また、ゲームのD2出力はSD解像度の信号である以上、エッジにはある程度のデジタル補正も必要になる。Z9000のLTI(輪郭補正回路)には輪郭が鮮明で色にじみを抑えるゲーム専用の補正パターン、さらには表示画面サイズごとに最適な補正パターンのデータを別に持たせている。
「D2信号から映像が入った瞬間から色を間引かず、最後まで出す。だから、色にじみは基本的に発生しない。基本的な画質チューニングとしても正しいアプローチを取っています」(住吉氏)と、高画質設計専門の開発者自ら胸を張る。
反応速度を極限まで高めて遅延を抑えた「新・ゲームモード」はもちろん、Wiiのバーチャルコンソール特化の「レトロゲームファイン」、PSPのゲームを高画質化する「ポータブルズーム」、さらにWii、PS2、PSPなどにフォーカスを合わせた高画質化処理。
REGZA Z9000の開発は、取材時の写真にも掲載している通り、実際にゲーム機の画質を元にチューニングされている。「異常な事をやるのがREGZA。これでPS3もWiiもXbox 360も楽しんでもらいたい」(本村氏)と開発者自らゲーマーにラブコールを送るマシンだけに、ゲーマー仕様のテレビとしての作り込みは伊達ではないようだ。