撮影サンプルで比較する!
ここからは、実際の撮影サンプルを掲載する。すべての機種において、左が美肌モード「オフ」、右が「オン」の状態だ。
μ-7020撮影サンプル
μ-7020の「ビューティーモード」での撮影は、1回の撮影で処理の前後画像が同時記録される。そのためか、処理およびその後の書き込み時間に3秒程度かかる。
肌の質感は滑らかになり、多少のシワなどは目立たなくなるが、目に入っているアイキャッチはしっかりと残している。基本的にノイズリダクションの技術を用いた物であろうと想像できる。未処理画像を残しているとはいえ、処理後の画像は1600×1200ドットという小さなサイズになってしまうのが残念なところだ。
カシオEX-Z90撮影サンプル
「人物メイクアップモード」をONにすると、肌の色味はさほど変わらないようだが細かいシワが緩和されるようになる。言われてみればと気が付く程度であるが、その効果は自然で好感が持てる。
FinePix F70EXR撮影サンプル
美肌モードにすることで人物の肌の表面の質感そのものが大きく変化する。その割には目じりのシワなど消えない場合もあるようだ。目の中の白目と黒目の輪郭強調が効いているせいか、目がくっきりと見え、好ましい感じになっている。
DSC-TX1撮影サンプル
TX1の場合、色味やコントラストを多少調整するものの、他機種と違って肌の質感をいじることはないようだ。今回のテストではその違いを見出すことはできなかった。状況によってはそのくらい小さな差異になってしまうようだ。
「パナソニック DMC-FX60」
美肌モードで撮影した場合、明らかにコントラストは標準プログラムよりも低くなり、柔らかい描写になっている。影のつき方を抑える方向でシワを目立たなくしているようだ。
アナタ好みの美肌モードはどれだ!?
今回は各カメラの撮影条件を揃えるために写真撮影用の蛍光灯を用いて撮影した。ISO 400程度で撮影できる程度の光量はあり、条件がそろっているはずにも関わらず、各カメラの撮影感度設定などがバラバラになった。
一番顕著だったのがμ7020で、ISO 1000の設定になった。若干ノイズが浮いていて他機種と比較して悪条件なのは間違いない。このあたりは手ブレを押さえるために速いシャッタースピードを確保しようとしたカメラの設定によるところだと思う。しかし、μ7020の人物に対する処理の種類や見せ方には面白いものがあり、なかなか楽しめる物だった。
F70に関しては、もともと肌色の再現がキレイなこともあり、そのままでもいいのではと思っていたが、美肌モードにすることで肌表面の質感がツルッと仕上がり、被写体本人たちも気に入った様子だった。
Z90では風景メイクアップほどの効果は今回見られなかったが、逆に仕上がり具合に自然さがあるのと、設定そのものが簡単であることに好印象をもった。
TX1とFX60は肌そのものの質感に変化は見られず、今回のテストではあまり変化がない機種といえる。しかし、光源を変えることによって違いは顕著になるのかもしれない。また、機会があったら今度は自然光下でもやってみようと思う。
今回のテスト結果では簡単に設定できて自然さを求めるならZ90。つるつるの質感が欲しいのであればF70。後からでもいろいろ加工してみたい人には処理パラメーターの多いμ7020がお勧めといえるだろう。