9月11日(米国時間)、IEEE(米国電気電子学会)は無線LAN規格「IEEE802.11n」が正式制定されたと発表した。ドラフト2.0から中核となる要件に変更はなく、ドラフト2.0対応無線LAN製品の多くはIEEE802.11n正式対応となる。
IEEE802.11nは、複数のアンテナを使って電波送受信する「MIMO(multi-input,multi-output)」などの技術を使い、100Mbs以上のスループット実現を目標とする規格である。2003年に標準化を目指すタスクグループが立ち上がったものの、メーカー間の主導権争いなど標準化の作業は難航。2007年3月に正式版とほぼ同様の仕様であるドラフト2.0の承認までたどり着くが、その後も正式制定まで至らずにいた。
なお、今年(2009年)の7月に、無線LAN製品の相互接続性を保証するプログラムを提供する業界団体「Wi-Fiアライアンス」が、ドラフト2.0認定を受けた機器はIEEE802.11n認定機器として扱う方針を発表している。
またこれらの発表を受け、9月14日にはNECとNECアクセステクニカがドラフト2.0に対応した同社の無線LANルータ「Aterm WARPSTARシリーズ」を、IEEE802.11n正式対応とすると発表。他の無線LAN機器メーカーも、これに続くと見られる。