モバイルの世界が、かなりの勢いでフルタッチ型スマートフォンに向かって動き出している。日本ではiPhoneが動き始めたところで、Androidの認知はこれからといった状況だ。ところが、世界では、日々さまざまな話題が飛び交っている。
上のリストはめぼしいものを拾っただけだが、1つずつ取り上げていくと、モバイルの世界は大きな局面を迎えている感がある。こうした動きの中で、いま注目すべきは、グーグルの携帯プラットフォームである「Android」とその周辺だろう。
Androidが目指すところはiPhoneなのか? 否か?
2008年9月に、ニューヨークでAndroidの発表会は行なわれた。そこで取材したNテレビのSさんからは、「iPhoneにとても良く似ているという印象でした」というメールが届いた。「創業者の2人までが登場する力の入れよう」とも書かれていたのだが、たしかにグーグルとしてはとても重要なビジネスなのだと、いま実感している。
iPhoneとAndroidの違いについては、このコラムでも、いくつかポイントを挙げて書いたことがある。「iPhoneはアップル1社でやっていて、Androidはオープンソース」とか、「Androidはクラウドのフロントエンド=グーグルはひたすらネットに繋がる端末が増えることを狙っている」とか、「グーグルはFacebookのような個人の情報に出遅れているが、携帯は究極のパーソナル戦略になる」などだ。
おそらく、どれも外れてはいないと思うが、心の底では「iPhoneにとても良く似ているという印象でした」という言葉がひっかかっていた。要するに、舞台裏の思惑こそ異なるものの、「iPhoneみたいな世界」を提供するのがAndroidだと、わたしも思っていたのだ。ファイルやフォルダのようなコンピュータっぽい概念がなく、指だけで直感的に操作できるところなど、Windows Mobileなどとは一線を画するという点では一致しているのだが。
ところが、この「Android=iPhoneに似たもの」説は、どうも根本的に間違っていたようなのだ。
日本にとっては、iPhoneをキャッチアップすることが先決である。まずはそこからなのだが、Androidによって、iPhoneの先にある世界が見えてきそうなのだ。