ジャパンエキスポは、日本のアニメやマンガが中心のイベントということで、いわゆるマンガ同人誌の即売コーナーというものがある。参加サークルは日本のコミックマーケットとは比べるべくもない、100サークルにも満たないと思える規模だが、昨年よりも参加サークル数は多いという。マンガを描きたいフランス人が増えているのだ。
一方、パリ市内にあるエスパス・ジャポン(ESPACE JAPON)は、民間による日本とフランスの文化交流を目指した施設である。ゆったりしたロビーには日本の雑誌が置かれ、地下には図書館もある。押しつけではない、いい雰囲気の文化交流を感じるのだが、日本語講座、講演会やコンサートに混じって、「マンガ教室」も開かれている。
日仏語新聞で4コママンガの連載を持ち、このエスパス・ジャポンでマンガを教えるピエール・フェラギュ氏に、この教室についてや、日本風のマンガを描こうとしている人々についてうかがった。
フランスにもあった
「まんが道」
―― マンガ教室は、いつ始められたのですか?
ピエール・フェラギュ氏(以下フェラギュ) エスパス・ジャポンでは、料理、おりがみ、書道と、日本のいろいろな文化を取り上げていますが、日本を代表する文化としてとらえられるようになった「マンガ」の教室は、昨年の秋から始めました。
―― どのようなコースになっているのでしょうか?
フェラギュ 2時間の授業が毎週1回。それを3ヵ月ですから、合計すると20時間くらいになりますね。同じ講座を、連続して3回受ける人もいます。
―― どんな人が受講されるのでしょう。プロのマンガ家を目指す人も来られているのでしょうか?
フェラギュ このマンガ教室は、もともとは子供をターゲットとして始めたものです。その関係で、プロのマンガ家を目指している人よりも、マンガに憧れて自分でも描きたいという感覚の人が中心です。もっとも、20歳に近い受講者には、将来プロのマンガ家になりたいという人もいますが。
―― パリ市内には、マンガを専門に教える学校もあると聞きました。
フェラギュ ないことはないですが、まだ新しいですからね。お金がかかることもあって、「本当に入学していいのか?」と感じている人も多いようです。また、そうした学校をやめてうちに来る人もいますよ。うちの場合には、そんなにすごいお金や時間をかけなくても、マンガを学べますからね。
―― 受講料はどのくらいですか?
フェラギュ 3ヵ月で270ユーロ(日本円で約3万6000円)で、これには材料費も入っています。また、今日見ていただくのは集中講義なのですが、これは食事も付いてきます。
―― 美味しそうな唐揚げ弁当が出ていましたね。
フェラギュ 食事も日本風です(笑)。
