今回紹介するのはソフトバンクモバイルから登場した、通信機能を内蔵するデジタルフォトフレーム「Photo Vision HW001」だ。ソフトバンクのケータイから写メールを送信すると、フォトフレームが受信し、自動的にそのメールに含まれる写真を表示する。自分のライフステージの変化もあり、とても共感できる温かい製品だ。
私事ながら自分の結婚式を挙げたばかりだ。その準備として、親から貰った自分の成長記録を写真で眺めていた。すると、かすかに思い出された記憶があったり、ハッキリ覚えているシーンがよみがえったり、全然覚えていない事実を知ったり。ついつい時間を忘れてアルバムをめくり続けている事に気づく。もし自分に子供が生まれたら、たくさんの写真を残してあげたいと思った瞬間であった。
親に話を聞くと、離れて暮らす祖父母にも写真を送ることを欠かさなかったという。ともに都内に暮らしているので、会いに行く機会も多かったが、イベントの折に写真を撮って、それを焼き増しして渡していたそうだ。最近ではデジタルカメラやケータイでの写真が多く、メールに添付して送る方が早いのかもしれない。「焼き増し」なんていう言葉はそのうち死語になるのだろうか。
より簡単にプレゼントできる
デジタルフォトフレームを作る
先日家電量販店にデジタルフォトフレームを買いに行った。カメラフロアの片隅に用意されているコーナーでは次々に商品が売れていく。店員に話を聞くと「全館のジャンルの中で今一番売れているのがデジタルフォトフレームじゃないか」というほどの注目製品のようだ。特にプレゼント需要が高いとも聞いた。
ここに目をつけたのがソフトバンク。2009年夏モデルとしてPhoto Visionという通信機能付きデジタルフォトフレームをリリースしたのだ。このPhoto Visionを担当したソフトバンクモバイルの唐津 慎一朗さんと栗田美保さんにお話をうかがった。
「フォトフレームのマーケットが好調な事は認識していました。ネット上のフォトストレージサービスでは、Flickrやmixiなどがありますが、その出口となる手軽なサービスがありませんでした。そこでフォトフレームに通信回線を載せることで、デジタル写真を楽しむ手段を提供できないかと考えて、今回の製品を企画しました」(唐津氏)
プレゼント需要とはつまり、離れて暮らす親に孫の写真を送ることが目的。しかしメモリーカードを定期的に入れ替えなければ、新しい写真を見てもらうことができない。単純な作業と言えばそれまでだが、メモリーカードを送ったり、差し替えたりという手間が必要となる。通信回線であればそれが省ける。
これまでもデジタルフォトフレームには、無線LAN機能を内蔵したモデルなどが存在していた。しかし遠くに住む祖父母の家にプレゼントする際、ブロードバンド回線を引いて、無線LANを設置して、その上でデジタルフォトフレームをプレゼントするというのは、少々ハードルが高い。Photo Visionなら電波が入る場所に設置して電源を入れておくだけで、最新の写真が自動的に表示される。
この手軽さとシンプルさは、非常に魅力的だ。
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