ウィルコムは記者会見を開き、同社が取り組んできた医療分野における成果として、スマートフォンとさまざまな健康機器との接続を可能にするソフトウェア開発キットと、訪問看護師を支援するソリューションの提供について発表した。
スマートフォンをゲートウェイにして
各種の健康機器を接続する
まず前者の内容については、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科准教授で、汎用的な機器間の通信技術を研究するPUCC(P2P Universal Computing Consortium)の代表理事副会長でもある北川和裕氏が説明を行なった。
北川氏によると、これまでもバイタルデータ(生体情報)を集めて、オンライン経由でそのデータを活用する健康機器(たとえば血圧計や体重計)は多数存在するが、「国内では低空飛行」だったという。
その大きな原因としてはメーカー単位でバラバラにネットワークに対応している結果、「開発費は掛かっているのに、サービスの差別化が行なえていない」点にあるという。
そこでネットワークやデバイスドライバといったレイヤーを包括するミドルウェアを用意して開発コストを削減するとともに、新たなアプリケーションが登場しやすい状況を作っていこうという試みが、今回のミドルウェアの公開にいたった。
具体的にはウィルコムのスマートフォン経由で健康機器をUSBやLANといった既存のネットワークで接続。それらの機器から得た情報をインターネット上のサーバーに蓄積。スマートフォンではそのデータを活用するアプリケーションを動作させることで、ゲートウェイ的な役割を担うことになる。
SDKでの接続動作実績のある機器メーカーは、オムロンヘルスケア、タニタ、スズケン、東芝ホームアプライアンスなど。