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楽天追撃!愛されるネットモール「ZOZOTOWN」

2009年05月21日 20時31分更新

文●吉田陽一/ASCII.jp

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 ネットのショッピングモールZOZOTOWN(ゾゾタウン)を運営するスタートトゥディが好調だ。スタートトゥディとその100%子会社のスタートトゥディコンサルティングは、ZOZOTOWN出店済み企業の公式直営ネットショップの新設を次々と手がけており、3月にはビームスの公式サイトにある直営ネットショップが開店、この秋にはユナイテッドアローズの新規ショップを手がけることが明らかになっている。

ゾゾタウントップページ

ZOZOTOWNトップページ

 今回、直営ネットショップを支援することになったビームス、ユナイテッドアローズは、自社直営のネットショップに加えてZOZOTOWNにネットショップをすでに出店している。5月12日に発表された提携では、商品情報と在庫情報管理をモールと直営ネットショップで一元化し、店舗相互の販売機会ロスを最小限に抑え、さらにZOZOTOWNから各社の直営ネットショップにも送客し、効率を高めるという。スタートトゥディ側はショッピングモールに加え、直営ネットショップの運営まで受託することで、収益モデルの多角化が図れるメリットがある。では、出店側であるユナイテッドアローズのメリットはなんだろうか。



出店社に信頼される「ZOZOTOWN」と他のショッピングモールの違い

 ZOZOTOWNを運営しているスタートトゥディは、他のショッピングモールサイトよりも出店者やユーザーに手厚いサービスを提供していることで知られる。モールサイトの「場所貸し」だけでなく、商品の入荷、撮影、採寸、保管、梱包、発送、代金決済といった「フルフィルメント」業務、顧客サポート全般までを請け負ってくれるのだ。ネットショップの運営に不安がある出店者でも「おまかせ」できるメリットがある。

 また、ユーザーから見てもサービスの質が高くなる工夫が多いことでも知られる。たとえば、衣服のサイズはZOZOTOWN側で実際に商品を採寸し、一般的なS・M・Lなどのサイズの他に表示している。他のネットモールでは各店が独自にサイズを表示しているため、A店ではMサイズ、B店ではSサイズなど、ユーザー自身が気をつけて購入する必要がある。ZOZOTOWNでは全店共通のサイズが表示されるので、どのネットショップで服を選んでも混乱しないで済むわけだ。

採寸のガイダンスページを表示させたところ

採寸のガイダンスページを表示させたところ

 こうした工夫と高級感あふれるサイトデザインなどにより、ZOZOTOWNを含むZOZORESORT(ゾゾリゾート)はリピーターを着実に増やしているようだ。同社の資料によれば、会員数は2009年4月現在で前年同期比約3万5000人増の約130万人。商品取扱高も前年比+31%増の19億8700万円。「ZOZOTOWN内のネットショップの売り上げが首都圏のあるターミナル駅のリアル店舗の売り上げを抜いた」(ZOZOTOWNに出店しているアパレル企業経営者)という話もあるほど。ネット事業をZOZOTOWN中心に拡大することを検討する企業もあるという。

 昨年来不況が伝えられるが、ZOZORESORTを擁するスタートトゥディの好調は目立つ。同社の「モールと出店者の共存モデル」にネットモール成長の鍵があるようだ。

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