【比較1】フルサイズ撮像素子モデルで
マクロ撮影比較――花
最短撮影距離付近にある花をマクロ撮影した。テレ端ではシグマとキヤノンのいずれも同じワーキング・ディスタンスで撮影できた。しかし、ワイド端になるとシグマはテレ端と同じ位置で撮影できたが、キヤノンはさらに長いワーキング・ディタンスを要求してきたので、後方に下がることになった。
AFはシグマの場合、最短撮影距離を割って使用すると迷う傾向があったが、キヤノンでは位相差AFらしく「どちらの方向に撮影距離が足りないのか」を理解しているようで、合焦できないまでもフォーカスは確実に最短撮影距離で固定された。ベストエフォートで頑張っているようだ。
なお、それぞれのレンズの最短撮影距離は、カタログのスペック表によればキヤノンが1.8m。シグマが1.5mとなっている。
●テレ端(キヤノン・シグマともに400㎜)
●ワイド端(キヤノン100mm、シグマ120㎜)
芯のあるキヤノン
ソフト系のシグマ
どちらもF5.6(開放)からハッキリとした描写で撮れているが、シャープさではキヤノンの方がやや優れている。ただし、F8(1EV絞る)でシャープさは同等レベルになる。F11~16でもキヤノンとシグマは同等の描写能力を示しているが、F11~16では見た目はシグマの方がシャープに見える。どうやらそれはコントラストの高さが描写にシマリを持たせているらしい。2本のレンズの違いはボケにあると思われる。キヤノンはやや芯のあるボケ味で、一方シグマはソフト・フィルターをかけたようなふんわりとしたボケ味だ。おそらく、ボケの傾向の違いこそこれら2本のレンズの特性に当たると思われる。
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