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【INTERVIEW】ハイアマチュア向けだから、できたこと――K10D開発者に聞く(後編)

議論があったリチウムイオン充電池の採用

2006年12月06日 19時47分更新

文● 聞き手 小林 伸/撮影 岡田清孝

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[――] AFのレスポンスも従来より速くなった印象です。それに、フォーカシングリングを触れた際に、かなり強いトルクを感じました。
ノウハウが詰まっている
[畳家] 電源を変更したことが大きな要因だと思います。今回、バッテリーを単3電池ではなく、専用のリチウムイオン充電池に変更しました。7.2Vの安定した電力を供給できるようになったため、モーターに対しても高い電圧をかけられるようになっています。
[――] リチウムイオン充電池に変更したメリットはほかにもありますか?
[堀田] 海外製の電池には粗悪なものもあり、余裕を持った設計を行なわなければなりませんでした。これがレスポンスなどに与える影響はあったと思います。リチウムイオン充電池にしたことで、よりシビアな電力消費の設計ができるようになった点はメリットだと思います。
[畳家] 電源の変更に関しては、企画の当初から議論がありました。従来機種で、単3電池が使える利便性をうたってきたのに、それを捨てるのはどうだろうかと。果たして、ユーザーが認めてくれるだろうかという心配がありました。一方で、開発サイドからは、リチウムイオン充電池にすることで沢山のメリットが生まれるという意見がありました。最終的に正しい選択だったと思います。ぜひカメラ販売店の店頭で展示品を触っていただいて、レベルアップを体感していただければと思います。




バッテリーの模造品はイタチごっこ
ユーザーにメリットのある形で対応する

[――] 充電池の模造品という新たな問題の発生に対して、心配はありませんか?
[畳家] 当社はコンパクトデジタルカメラに関しては、以前から専用充電池も採用しています。粗悪な模造品に関しては注意してみてきましたが、正直イタチごっこの印象はぬぐえません。模造品対策に関しても、現状では完璧なシステムがない状態です。そのような状態でコストを上乗せして、ユーザーに負担させるというのは得策ではないと考えています。
[――] 現状では有効な手段はないのですね。
[畳家] 日本では模造品は“ダーク”なものに見られています。もちろん当社としても純正品を使用いただくのがベストではあるのですが、例えばアメリカでは、サードパーティーの製品が日本よりもポピュラーで、その中にたまたま“粗悪品”やブランドロゴを詐称した法的に問題のある製品がある。必ずしも“模造品=粗悪品”という認識ではないようです。このあたりの温度差はありますね。
縦位置グリップ
縦位置グリップ
[――] 別売でバッテリーグリップが用意されてますね。これもなかなか工夫されているようです。
[畳家] バッテリーグリップは、俗に“縦位置グリップ”と呼ばれていますが、ポートレイト撮影などを多くこなすユーザーからの意見を反映しました。また、海外ユーザーの意見として、K100Dのグリップの大きさでは指があまってしまうという声もありました。グリップを延長させるという意味合いも持たせています。
[――] バッテリーは本体とグリップの両方に入れる方式ですね。電池は本体とグリップどちらから消費されるのですか?
[畳家] メニューで設定できますが、基本は電池残量の多いほうが優先されます。ホールドを確実にするためだけに使いたいのであれば、グリップの中に電池を入れなくても構いません。ただし、それだけではつまらないので、リモコンとカードを収めるためのスペースをグリップ内に設けました。グリップに関しても本体と同様に防塵、防滴仕様となっているので、ぬらしたり、なくしたりしないというメリットもあると思います。
バッテリーグリップ
バッテリーグリップには、リモコンとSDメモリーカードを収納するスペースもある


写真好きの層にアピールできる製品がようやくできた

K10Dの開発陣
最後にK10Dの開発陣ひとりずつからコメントをいただいた
[――] まだまだうかがいたいことはあるのですが、時間になりました。最後に開発サイドから、K10Dの魅力を読者にアピールしていただけますか。
[平井] ファインダースクリーンは明るいものを用意しました。ピントも合わせやすいのでぜひのぞいてもらいたい。ハイパープログラムやSV/TAvモードも合わせて使用してみてください。画質ではディティールを優先したつくりになっています。従来の600万画素との違いも楽しんでください。
[堀田] 基本スペックはもちろんですが、使い勝手を楽しんでください。特に、片手でカメラを持った状態でも可能な“画像の拡大再生”やホワイトバランスの微調整はほかのカメラにはない、K10Dならではの機能だと思います。
[森下] メカの担当者としてはレベルアップしたSR機能やローパスフィルターのゴミを落とす“DR”(ダストリムーバル)機能など、撮影をサポートする機能を押したいと思います。そして、このクラスとしては初の徹底的な防塵防滴も積極的にアピールしたい部分です。
[畳家] “写真好き”のユーザー層にアピールできる製品がようやくできました。今後も画質にこだわった単焦点レンズなどをラインアップしていきますので、こちらも合わせて使ってみてください。
[――] ありがとうございました。

ごみ取りの秘密兵器も登場

撮像素子を動かすことで、撮像面に付着したごみを除去する“Dust Removal(DR)機構”はK10Dの特徴のひとつだが、湿気を含んだホコリなどは、取りきれない場合があるという。それをユーザー側で除去できるアクセサリーも登場した。純正アクセサリーとして用意された『Imagesensor Cleaning Kit』は、樹脂の棒の先端に特殊ウレタンゴムのチップを装備。これでローパスフィルターの表面を軽くスタンプして、転写シートにごみを貼り付けるという仕組み。実際にペンタックスのサービスセンターで利用されているほか、畳家氏もプライベートでよく使っているという。「海辺の撮影時などに携帯して空を撮ると、ごみの付着が分かるので、それをこの棒で取ります」(畳家氏)。面倒なごみ対策の秘密兵器が登場した! 価格は4200円。

便利なクリーニングキット
DRを搭載したK10Dだが、秘密兵器も登場した。撮像素子の汚れを取る純正の掃除棒である。社内では“畳家棒”と呼ばれているとか、いないとか

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