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【INTERVIEW】ハイアマチュア向けだから、できたこと――K10D開発者に聞く(後編)

2006年12月06日 19時47分更新

文● 聞き手 小林 伸/撮影 岡田清孝

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[――] K100Dの上位機に当たる製品とのことですが、K100Dをベースにしている部分はありますか?
森下氏
機構メカ外装設計担当の森下茂氏
[森下] 機構部などに一部ありますが、ほぼ新設計といえます。
[――] 従来の*ist Dシリーズより、ボディーが大型化されていますね。
[森下] 当社の一眼レフデジタルカメラは小型のものが続いてきたのですが、SRユニットを大型化させたことと、“防塵、防滴”性能を求めたことで本体は大型化しました。今回はカメラボディーの大きさの枠は最優先しない方向で開発を進めたのですが、目標値は設けたうえで無制限に大きくならないように気をつけました。
[畳家] 実は設計部門がK10Dのレイアウトをやっていた際に「本当にこの大きさでいいのか」という議論はありました。ペンタックスのこだわりのひとつに“小型軽量”があるからです。これに対して、マーケット部門は、今回の機種は、きっちりしたラインアップの“上位機種”を担うため、性能面で妥協してはいけないこと、さらに防塵、防滴をこのサイズで実現できるなら、商品としても十分魅力的なはずだと回答しました。確かに、K10Dはペンタックスのこれまでのカメラと比べて大きいですが、同価格帯/同等性能のカメラと比較して決して大きなボディーにはなっていないはずです。
[――] SRユニットが大型化していますが、なぜですか?
[畳家] 撮像面を動かす際の駆動力を得るためにマグネットとコイルを大型化したためです。画素数が600万画素から1000万画素に増えると、1画素あたりのサイズも微細化します。補正性能に余裕を持たせる意味も含めて、SRの駆動部分をパワーアップしました。
[――] 駆動力の向上は何に利いてくるのでしょうか?
[畳家] 応答性と停止精度がアップしました。例えて言えば、車のエンジンとブレーキの関係と似ていて、スピードの出たものを確実に止められるようになったということです。仕組みそのものは、600万画素で確立されたものを利用していますが、より煮詰めています。結果として補正性能も従来よりさらに“0.5段ぶん”向上しました(K100Dの手ぶれ補正は約2~3.5段。K10Dでは約2.5~4段の表記となっている)。


ボディーの比較 SRユニットの比較
ボディーの比較。左がK10D、右がK100DSRユニットの比較。K100Dに使用されていたもの(右)より大型化した

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