オンキヨー(株)は20日、24bit/96kHz対応のPCIバス用サウンドカード『SE-200PCI』を発表した。価格はオープンプライスで、12月10日に発売する。店頭での販売価格は1万8000円前後になる見込み。
SE-200PCIは、2004年9月に発表された『SE-150PCI』の後継製品。デジタル回路からのパルス性ノイズを除去する独自技術“VLSC”(Vector Linear Shaping Circuit)、銅バスプレート(幅7mm、厚さ1mm)によるグランド強化、安定した電源供給を得るための大容量コンデンサーなど、基本的な設計は従来製品を踏襲している。
SE-150PCI(右)との比較。外観はよく似ているが、端子や銅バスプレートのレイアウトに違いがある |
改良点としては、基板レイアウトの変更と高品位パーツの使用という2点がある。レイアウトに関しては、光デジタル出力とアナログ出力の端子位置を入れ替え、出力端子直前でクランク型に折れ曲がっていた銅バスプレートを直線とした。これによりVSLC回路を完全な対称形にでき、信号のロスや外来ノイズの影響を抑えることができたという。また、従来2ch出力のみに設けられてた銅バスプレートは、今回から7.1chのマルチチャンネル出力用にも使用されている。
左右対称となったVLSC回路部分の拡大写真 |
パーツに関しては、単品CDプレーヤーなどにも使用されている英Wolfson Microelectronics社のD/Aコンバーター『WM8740』、発信周波数偏差±10PPMと高性能な水晶発振子、PCIバスやマザーボードから混入するグランドノイズを除去するOS-CONなどを新たに採用した。
これらの対策により、ノイズの大小を示すS/N比が大幅に向上。2chアナログ出力時で、従来の110dBから115dBとなった(ともに実測値)。また、周波数特性も0.3Hz~88kHzまでとなり、上限値が従来の44kHzより向上した。これにより48kHzまでの高域情報をふくんだHDソースにも対応できる。サンプリング周波数に関してはデジタル入力時で最大96kHz、デジタル出力時で最大192kHzまで対応する。
サウンドチップには台湾VIA Technologis社のVT1724を搭載 |
カード本体には、アナログのRCA入出力(ステレオ)、マイク入力(モノラル、ピンジャック)、光デジタル入出力、同梱の7.1chアナログ出力用ケーブル(マルチ入出力ケーブル)を接続するための端子を搭載する。対応OSはWindows 2000 SP3以上とWindows XP SP1以上。
オンキヨーではCDを上回る24bit/96kHzの楽曲をWMA Pro Lossless形式で配信する“e-onkyo music store”を昨年8月からサービス提供しているが、これに対応できるサウンドカードとしてSE-200PCIを積極的にアピールしていく考えだ。