日本電気(株)と日本電信電話(株)は25日、ロボットと携帯電話の連携による子ども見守りシステム『メルロボ連絡帳』を開発したと発表した。NECが開発した『パーソナルロボットPaPeRo』にNTTサイバーソリューション研究所が開発したサーバーシステムを組み合わせた。
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子どもと対話する形で保護者とのやりとりをロボットが仲介する | 遠隔地にいる保護者と施設の間をロボットが結ぶ |
システムのポイントはNTTが開発したゲートウェイサーバー。携帯電話とサーバー間でメールを送受信することで、ロボットへコマンドやメッセージを送ったり、逆にロボットのカメラで捉えた映像を携帯電話で受信できる。コマンドは自然文で送ることができる。ロボットとサーバーは無線LANで通信する。
2006年末まで育児・保育施設と協力して、実用性を試す共同実験を行なう。実験システムでは、ロボットがエージェントとなって自宅などにいる保護者と、保育士・子どもの間を結ぶ。ロボットの行動や使い方はさまざまだが、今回の実験で具体的に計画されているのは、保護者からのリクエストに従って子どもが歌を歌うという遊び。保護者は携帯電話からのメールでリクエスト曲を指定する。それを受け取ったロボットは子どもに曲名を伝え、伴奏を開始。子どもが歌っている様子はロボットのカメラで撮影され、それが保護者へとメールで送信される。
また、ブログを使った連絡帳システム“ロボ連絡帳”の実験も行なう。これはロボットで撮影した画像に保育士がコメントをつけることで保育施設の様子を保護者に伝える目的のもの。撮影とアップロードを、リモコン操作だけで保育士が行なえるようにしたことや、アップロードされた画像を選択してコメントするだけで、すぐにブログ形式で公開されるという使いやすさがポイントだ。
遠隔地から自分の子どもの様子を見たいとうニーズに応える形で、すでに保育施設ではウェブカメラの導入が進んでいるが、「部屋の隅に設置したカメラでは監視という感じが強くなる。ロボットなら子どもが目の前で遊ぶことができるし、保護者のエージェントとしてIT機器とのインターフェースとなる」(NECメディア情報研究所 山田敬嗣氏)という。実験の主眼は技術検証ではなく、ロボットがいることが不自然とならないかといった受容性の検証だとしている。
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保護者からリクエスト曲をメールで送信 | 保護者のリクエストを受け取ったロボットが、子どもにメッセージを伝える | 子どもが歌った様子はムービーとして保護者の携帯電話に届く |
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ロボ連絡帳。ロボットで撮影した画像はその場でサーバーにアップロードされる。アップロードされた画像を選択してコメントをつければ、ブログ形式で公開できる |
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NECメディア情報研究所 山田敬嗣(やまだけいじ)氏 |
