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ATOK 2006 for Mac

【レビュー】Intel Macに対応!! 高度な変換機能で快適な日本語環境

2006年09月01日 19時23分更新

文● 木下幹司

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間違った日本語をしっかりフォロー

日本語入力ソフトは、変換性能は言うに及ばず、機能という面でもこれから先大きな進化はないだろう。それは、ほかのソフトと比較すれば一目瞭然。それぞれソフト間に大きな違いはないからだ。

なんといってもATOKの魅力は変換エンジンだが、それ以外の機能では口語の方言対応や校正支援機能の充実ぶりが目立つ。日本語をあらゆるシーンで快適に入力することを中心に考えられたソフトだといえるだろう。

機能 ATOK2006 egbridge Universal ことえり
前後の文章からの変換候補解析 あり あり なし
似た意味の候補表示 連想変換 類義語変換 なし
推測変換 省入力データと確定履歴から 専門辞書と確定履歴から 確定履歴からのみ
口語の方言対応 全国 なし 関西のみ
校正支援機能 誤字、誤入力、誤用 一部の文字のみ対応 なし
タイプミスの補正 自動的に学習 なし なし
訂正学習機能 あり あり なし
日本語の意味から和英変換 あり あり なし
郵便番号変換 あり あり なし
旧市町村名の訂正機能 あり なし なし
顔文字パレット あり あり なし
手書き入力 あり 文字パレットにあり なし
Spotlight検索 あり ユニバーサルパレットにあり なし
グリフセットサポート なし あり なし
キーカスタマイズ あり あり ほとんどできない
使用漢字制限 なし あり なし
辞書の共有 ATOK Sync(未定) あり なし
自動学習の抑制 環境設定で可能 プライベートモード なし
電子辞典 製品によって付属 付属 なし

ことえりはOSにバンドルされているソフトであるにもかかわらず、日本語を入力するだけなら、十分な機能を搭載している。正直なところ、ことえりで何の不満もなければ、あえて日本語入力ソフトを購入する必要はないだろう。

しかし、ATOKが搭載している“校正支援”機能や“電子辞書”機能を活用すれば、間違った日本語を確実に減らすことができるはずだ。『Mail』や『Safari』しか使わないライトユーザーから、文章作成に携わるプロユーザーまで日本語入力はさまざまな用途に関わる基本作業だけに、あらゆる層にアピールできるソフトなのだ。

(株)エルゴソフトの『egbridge Universal』のような洗練されたパレッドやホイールは用意されていないが、長文入力時の変換精度や辞書の豊富さに関してはATOKは日本語入力ソフトのなかで際立っている。

環境設定などのユーザーインターフェースがわかりにくい点など改善の余地はあるものの、“操作ガイド”機能を備え、これから日本語ソフトを購入、もしくは買い替えようと考えているユーザーに対しても、しっかりフォローしている点は大きなポイントだ。



【結論】

【○】
長文を入力したときに誤変換が少なくなったと間違いなく感じられる。日本語の使い方の間違いを指摘する“校正支援”機能は、さらなるパワーアップを果たし、より正確性を増した。新機能である“推測候補モード”は使える候補が出てこないときもあるが、なかなかおもしろい機能だ。
【×】
インターネットで配布されている顔文字や専門用語辞書を“ATOK辞書ユーティリティ”へ登録する方法が面倒なので、もう少しスマートな方法を考えてほしい。“バックアップツール”など、パレット上のメニューからしか呼び出せない機能があり、すべての機能を使いこなすには相当な慣れが必要となる。


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