配線工事不要で取り付けも簡単なワイヤレスカメラ“リビングドアスコープ”。写真は卓上型モニターモデルの『HN-D100』 | 『HN-D150』付属の壁掛け型モニターの使用デモ。解像度が低いので鮮明とは言えないが、訪問者の顔を見る程度には十分か |
シャープ(株)は31日、玄関ドアの覗き穴(ドアスコープ、ドアアイ)に簡単に取り付けられ、ワイヤレスで小型モニターに映像を飛ばして訪問者を確認できるカメラシステム“リビングドアスコープ”2製品と関連オプションを発表した。配線工事が一切不要で、取り付けが簡単なため、既設の集合住宅のドアへの設置などに適する。価格はオープンプライス。
商品の説明を担当した同社 通信システム事業本部 IP通信事業部 商品企画部 部長の田中敦司氏は、訪問者を映像で確認できるTVドアホンのニーズが非常に高く市場も伸びている一方で、既設の住宅、特に賃貸住宅では設置・配線工事の手間や、そもそも設置工事をできないといった理由により、実際にはTVドアホンを導入したくてもできない環境にある消費者が多いとした。リビングドアスコープはそうしたニーズに対して、ワイヤレスを生かした“工事不要で簡単取り付け”を特徴とする製品である。
製品発表会で披露されたスライドの1枚。訪問者を映像で確認できるTVドアホンのニーズは高いが、後日設置の困難さから導入できない人が多い。リビングドアスコープはこの市場を狙う |
商品はドアに取り付ける“ワイヤレスドアカメラ”と、液晶ディスプレーを備えた小型モニターで構成される。設置は非常に簡単で、ドアの覗き穴を内側から緩めてドアカメラの設置フレームとなる“アタッチメント”を、覗き穴とドアの間に挟むような形で取り付ける。あとはドアカメラ本体をアタッチメントにはめるだけ。ドアカメラ側には磁石が付いているので、簡単にはめられるうえにガッチリと装着できるし、電池交換の際の取り外しも容易だ。電池駆動で映像送信はワイヤレス方式なので、カメラの配線工事は一切不要。ドアや覗き穴にも加工は不要だし、転居の際には外して持っていくこともできる。
ドアカメラは単3アルカリ電池3本で動作する。覗き穴から外を撮影する11万画素CCDカメラが内蔵されており、撮った映像は無線通信規格IEEE 802.15.4(ZigBee)を使い、暗号化されて無線でモニター(付属ACアダプター駆動)へと送信される。使用シーンとしては、訪問者が来た際にモニター側のボタンを押すと、ドアカメラが外の映像を映してモニターに送信。ユーザーは訪問者の顔をカラー映像で確認し、対応を決められるという仕組みとなっている。ボタンを押すだけと使い方が非常に簡単で、子供やお年寄りでも戸惑わずに使えそうだ。IEEE 802.15.4を使用した理由は、低消費電力であるためとのこと。そのおかげで単3アルカリ乾電池3本使用時で、約6ヵ月間の使用(1日5回、1回20秒の使用で)が可能とされている。
リビングドアスコープの使用イメージ。ドアの前まで出向かなくても覗き穴から外を観察できるので、居留守にも最適? | 卓上モニターの使用例。コンパクトでどこにでも置けるし、手に持って確認も可能。操作も非常に簡単で、モニター上のボタンを押すだけで映像が出る |
モニターは卓上型か壁掛け型の2種類が用意されており、『HN-D100』が卓上型、『HN-D150』が壁掛け型のモニターを同梱している。液晶ディスプレーは1.9インチサイズで、映像の解像度は160×120ドット。秒間1~2枚程度の映像を表示できる。なおカメラにはインターホン機能はないので、音声の送受信はできない。訪問者と応対するには直接ドア前に出向くか、既存のインターホン等を使用する必要がある。
予想実売価格は両製品とも2万7000円前後。発売日は9月1日。また同時発売のオプションとして、増設用モニター(卓上型および壁掛け型)と屋内用のワイヤレス室内カメラが発売される。最大増設時は、ドアカメラ1台、室内カメラ3台、モニター2台までの使用が可能である。オプションの価格はオープンプライスで、予想実売価格は1万8000円前後。