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米パラレル社、『Parallels Desktop for Mac』の正式版を発表

2006年06月15日 20時31分更新

文● 田中俊光

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米パラレル(Parallels)社は15日、これまで公開ベータテストが実施されていた仮想マシンソフトウェア『Parallels Desktop for Mac』(以下、Parallels)の正式リリースを発表した。ダウンロード購入が可能で、価格は79.99ドル(1ドル115円換算で約9000円)。7月15日までの30日間は49.99ドル(約5750円)の割引価格で販売される。

Intel版Mac OS X上に仮想PC環境を構築し、WindowsなどのOSを動作させることができる。IntelのCPU仮想化技術“VT-x”に対応しており、高速な動作が可能だ。なお、PowerPC搭載のMacでは使用できない。

対応OSは、Mac OS X 10.4.6以上。対応機種はIntel製CPUを備えたMac(Mac mini/iMac/MacBook/MacBook Pro)で、メモリー容量が512MB以上(推奨は1GB)で、HDDの空き容量が30MB以上(推奨は15GB)。

『Parallels Desktop for Mac』(図はリリース候補2でWindows XPを動作させているところ)

10万人を超えるベータテスター

Parallelsの最初のベータ版は“Parallels Workstation”という名称で4月6日に公開されている。当初は4月5日に米アップルコンピュータ社から発表されたIntel MacでMac OS XとWindowsのデュアルブートを可能にするツール“Boot Camp”騒動の影に隠れた感もあった。

しかし、Boot Campは対応OSがWindows XP SP2のみで、OSの切り替えに再起動が必要なのに対して、Parallelsは再起動なしにMac OS XとWindowsを同時利用できる、Windows以外にLinux、FreeBSD、SolarisやOS/2など、さまざまなPC用OSにも対応しているといった点が注目を集め、パラレル社によれば71の国と地域から10万人を超えるユーザーがベータテストに参加したという。


バージョンを重ねるごとに着実に進化

初期のベータ版では実装されていない機能もあり、Mac OS Xを巻き込んでクラッシュすることもあったが、ベータ3でサウンド機能、ベータ4でフルスクリーン表示、ベータ5でUSBポートがサポートされるなど着実な進化を遂げてきた。

リリース候補1では名称を『Parallels Desktop』と改めると共にアイコンや設定画面のデザインが変更された。リリース候補2では別製品であったハードディスクイメージファイル圧縮ツール『Parallels Compressor Server』の機能を統合し、これまで49.99ドルとしていた予定価格が79.99ドルに改訂されている。

この価格改定には一部ユーザーから不満の声も聞かれたが、パラレルからはCompressor Serverの単体販売価格は179.99ドルであり、統合前の2製品を購入するよりも150ドル割安と説明されている。

なお、詳細なレビューは追って掲載する予定だ。



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