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20.1インチの大型液晶ディスプレーを搭載した“ウルトラエンタテイメント”ノート『XPS M2010』。斬新なデザインで、キーボードは本体から分離可能 | ゲーマー向けに最高性能と拡張性を追求したタワー型パソコン『XPS 700』。巨大なシルバーのボディーは内部にLEDが仕込まれている |
デル(株)は31日、同社の高級パソコンブランド“XPS”の新製品として、大型ハイエンドノート『XPS M2010』と、ゲーマー向けハイエンドタワー型パソコン『XPS 700』を発表した。
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デル マーケティング本部 本部長の郡信一郎氏 |
東京都内のホテルにて開催された新製品説明会では、XPSブランドの略歴と今年の新製品、そして今後の戦略についてが、同社マーケティング本部 本部長の郡信一郎(こおり しんいちろう)氏により語られた。XPSブランドは「一般的なパソコンでは満足できないユーザーのため」(郡氏)に開発、販売されるプレミアムな製品ブランドで、特に米国では非常に高いCPUや3Dグラフィックス性能を要求するハイエンドのパソコンゲーマー向けブランドとして認知されている。郡氏は日本においても、従来は“ゲーマー向けパソコン=自作パソコン”という状況であったのが、ゲーマー向けのXPSを2003年投入して以降、特定オンラインゲームとのタイアップ(~推奨パソコン等)により、メーカー製パソコンでもゲーム用パソコンへの需要を満たせることを示したとしている。
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2006年のXPSブランドラインナップ。ゲーマー向けハイエンドデスクトップのイメージから脱却し、特徴的な仕様やデザインを備えたノートパソコンが強化されている |
過去のXPSブランドは拡張性に富んだデスクトップパソコンばかりであったが、2005年にはノートパソコンもラインナップされ、フォームファクターに依存しないプレミアム製品ブランドとしての位置づけを明確化している。5月にはゲーマー向けノートパソコン『XPS M1710』と、“プレミアムモバイル”を称するモバイルノート『XPS M1210』を発表し、今後はゲーマー向けに止まらず、性能とデザインの両面で最高の体験となるブランドの地位を確立させていくという。
XPS M2010
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展示会場にあったXPS M2010のデモ機。こう見るとノートパソコンという印象はあまり感じない | 発表会で報道陣に披露されるM2010。その大きさとハンドルにより、ノートというより薄型のアタッシュケースといった印象を受けた |
XPS M2010は非常に斬新なデザインを備えるハイエンドノートパソコンである。特にゲーマー向けという製品ではなく、ゲームも含む幅広いエンターテイメント用途を指向している。20.1インチで1680×1050ドットのワイド解像度を備える液晶ディスプレーは、ハンドルがついたアームに取り付けられていて、一般的なノートパソコンとはかなり異なるデザインとなっている。本体部はキーボードが手前側、光ディスクドライブがヒンジ側にある変わった配置となっていて、キーボード部分は本体から着脱可能である。タッチパッド付きキーボードはBluetooth接続による無線式となっているので、ケーブルフリーで扱える。またBluetooth接続のワイヤレスマウスも付属する。
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液晶ディスプレーはアームに固定されているのではなく、取り付け部で前後に角度を変えられる。本体からディスプレーが分離したような独特のデザインイメージを実現している | ハンドル周辺を背面から。ハンドル部は本革製。インターフェース類は背面と両側面に並んでいる |
ディスプレーの上側中央には、ビデオチャット用の130万画素CCDカメラが内蔵されている。またディスプレーの周囲などに合計8つのスピーカーとサブウーファーを内蔵しており、本体だけでも優れたサラウンド効果を実現できる。内蔵するDVD±RWドライブは、ボタンを押すとスロットインタイプのディスクトレイ部がポップアップする構造で、洗練されたデザインにマッチしている。サイズや重量はさすがに大きく、サイズは幅470×奥行き205.6×高さ75.3mm、重量は8.31kgとなっている。
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ドライブのある本体部分はフラットなデザインで、ボタンを押すとスロットインタイプの挿入部がポップアップする。本体とキーボードの間に見えるのはキーボードの接続部で、接続はがっちりとしている |
CPUは注文時に選択可能で、最高ではIntel Core Duo T2600-2.16GHzを選択できる。チップセットはIntel 945PM Express。メモリーは最大4GBまで対応。グラフィックス機能としては、ノートパソコン向けでは最速クラスのMobilitiy Radeon X1800(256MB DDR3メモリー搭載)を採用している。また2台のHDDを内蔵可能で、最大240GB(120GB×2)分のHDDを選択できる。さらに同社のノート製品では初めて、RAID 0/1構成にも対応している。選択可能なOSはWindows XP ProfessionalとMedia Center Edition 2005(MCE)で、オプションとしてMCEに対応するUSB TVキャプチャーユニットもラインナップされる。またハイエンド製品としては当然ながら、Windows Vistaにも対応する“Windows Vista Capable PC”でもある。
- 選択可能なCPU
- Intel Core Duo T2600-2.16GHz/T2500-2GHz/T2400-1.83GHz
- 選択可能なHDD構成
- 80/100/120GB、RAID 0構成時は100GB×2、
- RAID 1構成時は120GB×2
価格は未定であるが、40万円前後になる予定。販売開始時期は6月下旬の予定。
XPS 700
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動作中にはLEDが点灯するXPS 700。LEDは7色のパターンがあり、BIOSで選択できる |
XPS 700はゲーマーやCGクリエイターをターゲットとした、パフォーマンスと拡張性を重視したタワー型パソコンである。奥行きのあるフルタワータイプの筐体は、横から見ると軽く前傾した独特のデザインとなっている。前面は全体がスリット状になっていて、通電時は内部に仕込まれたLEDが発光するギミックも取り入れられている。
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XPS 700の側面写真。左側がフロント側である |
巨大な筐体は拡張性にも富んでいる。前面には5インチベイが4つ用意されているほか、本体内に3.5インチHDDを最大で4基搭載できるHDDベイを備える。BTXタイプのマザーボードを採用しており、スムーズなエアフローによる高い冷却効果を実現している。拡張スロットも多く、PCI Express x16が2スロット、x8とx1が1スロットずつ、PCIスロットを3スロット備える。チップセットには米エヌビディア社の“nForce4 SLI”を採用しており、デュアルGPU技術“SLI”にも正式対応している。さらにハイエンドのCPUやGPU、HDDなどの搭載にも余裕のある、最大750Wの電源ユニットも備える。
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XPS 700の内部構造。BTXマザーボードを採用し、エアフローを確保。拡張ベイも豊富で電源も強力と、拡張のベースにするにも適する |
選択可能なCPUは、最高でPentium Extreme Edition 965-3.73GHz。HDDは500GBのシリアルATA II HDDを3台まで選択できる。RAID 0/1構成も可能だ。またサウンドカードにクリエイティブメディア(株)の『Sound Blaster X-Fi Extreme Music』を選択したり、米AGEIA Technologies社の物理演算用プロセッサー“AGEIA PhysXプロセッサー”搭載の拡張カードを追加することも可能だ(価格は3~4万円程度。PhysX対応アプリケーションは付属しない)。
- 選択可能なCPU
- Pentium D 930-3GHz/940-3.20GHz/950-3.40GHz
- Pentium Extreme Edition 965-3.73GHz、HT対応Pentium 4 670-3.80GHz
- 選択可能なグラフィックス機能
- NVIDIA GeForce 7900 GTX 512MB/NVIDIA GeForce 7900 GS 256MB/ATI Radeon X1900 XTX 512MB
- 選択可能なHDD構成
- 160/250/320/500GB、購入時は最大3基まで搭載可能(ベイは4基分用意)
- XPS 700 ベーシック構成
- Pentium D 930-3GHz/メモリー 512MB/GeForce 7900 GS 256MB/160GB HDD/DVD&CD-RWコンボドライブ/Windows XP Home Edition SP2
- ベーシック構成時価格 19万2700円
- XPS 700 推奨構成
- Pentium D 940-3.20GHz/メモリー 2GB/GeForce 7900 GTX 512MB×2/500GB HDD/DVD±RWドライブ/Windows XP Home Edition SP2
- 推奨構成時価格 53万9700円
販売開始日は6月6日の予定。
