ニコン「D50」
ニコンの一眼レフデジタルカメラ入門機。コンパクトデジタルカメラからのステップアップを考慮してか、記録メディアにはSDメモリーカードを使用している。連写速度こそ2.5コマ/秒と若干少なめだが、連続撮影枚数は137コマ(SanDisk UltraII SDメモリーカード使用)と事実上無制限に撮れる点はメリットだろう。背面の2.0インチ液晶ディスプレーは、その大きさもあり見やすいが、特に設定画面を呼び出したときの表示文字が大きくとてもわかりやすい。D70sと比べると、コマンドダイヤルが1つに減らされているが、主にAEを基本とした撮影では露出補正の操作ができればいいので不便さは感じないだろう。
Nikon D50 |
価格はオープンプライス。5月1日現在の実売価格は、本体のみで7万円弱。標準ズームが付属するレンズキットで9万円弱、望遠ズームも付属するダブルズームキットが12万円弱となっている。
撮影サンプル――街のスナップと魚の視線を体験してみた
まずは「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18~200mm F3.5~5.6G (IF)」を装着して、街撮りに出かけてみた。コンパクトなD50のボディーと比較するとやや大きくなりすぎるきらいはあるが、カメラバックを持たずにスナップ撮影に出かけたい場合などにとても役立ちそうだ。
全体を縮小 |
等倍で中央部分を切り抜き |
作例は35mmフィルム換算で300mm相当の望遠を生かして、圧縮効果を狙ったもの。新宿の街の雑踏がぎゅっと画面に凝縮された感じを表現している。
一本でさまざまなシチュエーションに対応できる便利さが、このレンズの売りでもある。VR(光学式手ぶれ補正)機能も持っているため、手持ちの夜景撮影でも手ぶれを気にせずシャッターを切れるのがいい。
次に「AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G」を装着して、魚の視線で世界を眺めてみた。こういったレンズが使用できるのも一眼レフならではと言えるだろう。なお、筆者の設定ミスで、ISO感度を1600にしたまま撮影してしまったため、ノイズを感じるのは許していただきたい。
“標準ズーム”の次に買いたいレンズ
D50のレンズキットには標準ズームの「AF-S DX ED18-55mm F3.5-5.6G」が付属。ダブルズームキットでは「AF-S DX ED55-200mm F4-5.6G」が付属する。35mmフィルム換算の焦点距離は1.5倍になり、この2本で27~300mm相当の焦点距離がサポートされることになる。通常はこれで十分だろう。
次の1本ということであれば、上位機の「D200」と同時に発表された「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18~200mm F3.5~5.6G (IF)」が思い浮かぶ。このレンズを使用すると、上記2本のレンズでカバーしていた領域を1本で済ませてしまえる。さらに光学式手ぶれ補正機能(VR)も搭載している。次に買う一本というより、最初から本体とこのレンズを組み合わせて購入してもいいのではないだろうか。レンズ交換式とはいえ、頻繁にレンズを交換しているとホコリやゴミがボディー内に進入して、そのうちCCDに付着してしまう。そんなことを防ぐ意味でも有効だ。
また、レンズ交換できる一眼レフデジタルカメラならではの楽しみとして、フィッシュアイ「AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G」を選んだ。コンバーターなどを利用することで、超広角を実現できるコンパクト機は非常に少なく、一眼レフならではのラインナップと言えるが、入門機といえどもこのようなレンズがなんの制限も受けずに使用できるのはうれしい。
AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18~200mm F3.5~5.6G (IF)(実売8万円前後) | AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G(実売7万5000円前後) |
D50の主なスペック | |
レンズマウント | ニコンFマウント(AFカップリング、AF接点付) |
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撮像素子 | 有効610万画素CCD(APS-Cサイズ、23.7×15.6mm) |
記録メディア | SDメモリーカード |
シャッター速度 | 1/4000~30秒、バルブ |
連写速度 | 毎秒2.5コマ |
ファインダー | ペンタプリズム方式(視野率95%、倍率0.75倍) |
液晶ディスプレー | 2インチTFT(約13万画素) |
サイズ | 幅133×奥行き76×高さ102mm |
重量 | 540g(本体のみ) |