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――feedpath事業をブログエンジンへ移管し、ブログエンジンは“フィードパス株式会社”へ社名変更

サイボウズのWeb 2.0型ネットサービス“feedpath”が、ブログ連携に進化!!

2006年04月03日 17時07分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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サイボウズ(株)と同社の連結子会社であるブログエンジン(株)は3日、東京・飯田橋の同社オフィス内カフェテリアにプレス関係者を集め、サイボウズが1月30日に発表したWeb 2.0型ネットサービス“feedpath(フィードパス)”をブログエンジンに事業移管するとともに、ブログエンジンを同日付けで“フィードパス株式会社”に社名変更し、本社をサイボウズ社内に移転することを発表した。フィードパス(株)の会社概要は次の通り。

社名
フィードパス株式会社(英文表記:feedpath Inc.)
主な事業内容
ネットサービス“feedpath”と企業向けブログシステム“blogengine(ブログエンジン)”の開発・販売・運営
設立年月日
2005年4月5日(旧ブログエンジン(株)の設立年月日)
所在地
東京都文京区後楽1丁目4番14号 後楽森ビル12F
資本金
5000万円
代表者
代表取締役 CEO 津幡靖久(つばたやすひさ)
代表取締役 CEOの津幡靖久氏
フィードパスの代表取締役 CEOの津幡靖久氏

発表会にはフィードパスの代表取締役 CEOの津幡氏のほか、取締役 CTOの後藤康成氏、取締役 COOの小川 浩氏らが出席し、今年5月の大型連休明けにもfeedpathに実装予定という“Blogエディター”機能の概要、ならびに新会社の事業戦略や今後のビジョンなどを説明した。

最初に津幡氏が挨拶に立ち、「ブログエンジンは、もともと(株)ネットエイジグループの中で立ち上がり、今年2月にサイボウズが資本参加して、このたびサイボウズの傘下にまとまったもの。法人向けイントラブログサービス“blogengine(ブログエンジン)”は引き続き同じブランドで継続提供していくが、(feedpath事業の移管を受けたことで)“ビジネスコンシューマー”向けのネットサービスの企画・開発・運営も合わせて事業として行なっていく。事業規模としては、feedpath全体で2億円を掲げている。実際にはサイボウズ本社との決算期のズレがあり、これを今後修正していく必要があるので、今後1年間の目標と見てほしい。2億円という目標は、ウェブ業界では(株)ドリコムが1年先行していると考えており、その1年目の売り上げ金額を目標に定めたもの」と意欲的に取り組む姿勢を見せた。

取締役 CTOの後藤康成氏
取締役 CTOの後藤康成氏

続いて後藤氏がfeedpathと連携する背景や会社概要を説明した。氏は「昨年4月にブログエンジンという会社を立ち上げ、企業向けブログとして採用されているが、今後どのようにアクセルを踏んでいくかと考えたときに、ブログにFeed技術(ブログなどのページが更新された情報をほぼリアルタイムに配信する技術)を採用することが重要になると考えた。サイボウズの技術(feedpath)と融合することが大きなポイントになる」と自信をのぞかせた。

フィードパスの組織図
フィードパスの組織図

同社の従業員は役員を除き11名で、技術開発本部と事業推進本部の2つを持ち、その直下にblogengineとfeedpathという2つの事業を構える。両者の組織もいわば名刺的な組織構成であり、必要に応じて柔軟に対応していくと運営方針を説明した。

取締役 COOの小川 浩氏
取締役 COOの小川 浩氏

最後に小川氏が壇上に立って、開口一番「個人法人を問わず、Web 2.0に注力していく」と宣言した。小川氏の説明する“Web 2.0”とは、ウェブが質的にも量的にも変化し、進化の角度が急激に上がっている状況を示す。1997年にサイボウズが起業して、グループウェアがそれまでの専用クライアントソフトからウェブ型に変化し、イントラネット(企業内ネットワークにインターネット技術を取り入れたシステム)もウェブ型になった。これを氏は“Intranet 1.0”と呼称。一方で、ウェブの世界はGoogleによる効率的な検索、RSS/Atom Feedでのリアルタイム更新通知、XML/XHTMLの構造的な言語によるページ構成など、Web 2.0へと進化しているのに、イントラネットはいつまで1.0でいいのか、と疑問を呈した。

Web 2.0時代に対応する“イントラネット 2.0” イントラネット 2.0の構成要素
Web 2.0時代に対応する“イントラネット 2.0”イントラネット 2.0の構成要素

その上で、「feedpathが企業内ブログや企業内SNSとインターネットの情報をつなぐ情報ポータルになる」と断言。feedpathは開始から60日で4万8000件のウェブサイトを登録し、数千人の登録ユーザーを抱えるという。feedpathでは将来の構想を含めて

  • Feedリーダー&モバイル対応
  • ブログエディター&FreeFeedエディター
  • タグ検索&Feed検索
  • ソーシャルタギング&Folksonomy(フォークソノミー、多人数参加での分類)

の4つの方向への進化を遂げるとビジョンを明かした。今回5月に提供開始予定が発表されたブログエディターは、対応各社のブログサービスに対して、ウェブ上で投稿・編集が行なえるというもの。複数のブログサービスに一括投稿・編集が行なえること、feedpathで収集した記事へのトラックバックを管理できること、などが特徴。対応するブログサービスは以下の通り。

イントラネット 2.0のFeedリーダーの役割 feedpathの進化の方向性
イントラネット 2.0のFeedリーダーの役割feedpathの進化の方向性

  • livedoor blog
  • Seesaa ブログ
  • goo ブログ
  • ameblo blog
  • ココログ
  • ブログ人
  • blogger.com
  • MovableType
  • Typepad
  • blogengine

このほかにも、「APIを公開してくれればすぐに対応できるので、ぜひブログ各社は協力してほしい」とラブコールを送った。氏はfeedpathとブログを組み合わせるメリットについて、「(feedpathは)大量のRSS/Atom Feedを効率的に扱えるように工夫されているし、Ajax技術によりページのリロードなしに更新された情報が読めるようになっている。ユーザー自身が記事にタグを付けることで検索性が高まり、ソーシャルブックマークとしての使い方もできる。さらにここで見つけた役立つ情報を企業内ブログや友人に限定した非公開のブログなどで紹介する際も、いちいちコピー&ペーストを繰り返す手間がない。あるブログ会社が発表した数字では、登録者の半数が同一人物で複数IDを取得しているという情報もあり、ブログを複数使い分けている人が少なくないと認識している」と述べ、feedpathに追加する新機能“ブログエディター”の必要性を説明した。

feedpathに追加予定の“ブログエディター”の画面 ブログエディターでのブログ編集画面
feedpathに追加予定の“ブログエディター”の画面。ここでブログサイトの種別やID/パスワードなどを管理するブログエディターでのブログ編集画面。HTMLの知識がなくても簡単な操作で投稿や編集ができるという

さらに小川氏は、「いつもビジネス(収益)モデルについて聞かれるが、夏頃には発表できる予定」と予防線を張り、「まずはトラフィックを集めないと収益につながらない。これを集めてから(ビジネスモデルを)夏頃に発表できるだろう」と近い将来の新プラン/新サービスの提供にも含みを持たせた。

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