日本電気(NEC)の直販サイト“NEC Direct”は、開設2周年記念としてモバイルノートの直販専用モデル「LaVie G タイプJ ブラック」を200台限定で販売開始した。ベースとなる「LaVie G タイプJ」は、昨年12月に発表されたばかりという2006年春モデルの一員で、12.1インチXGAの液晶パネルを採用する1スピンドルのモバイルノート。重量が約1012gと軽量化されたほか、耐加圧約150kgfのボンネット構造による堅牢性の高さ、約6.5時間のバッテリー駆動などモバイル用途に特化しているのが特徴。開設2周年記念の限定モデルでは、このLaVie G タイプJの天板のカラーをシルバーからマット(つや消し)ブラックに変更した“プレミアムモデル”だ。
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限定200台のプレミアムモデル「Lavie G タイプJ ブラック」 |
ボンネット構造で優れた堅牢性を実現
約1kgの軽さも魅力
ボディーの外装はマグネシウムダイキャスト製で、天板部分は凹凸で圧力の分散を図る“ボンネット構造”によって強度アップが施されている。これにより耐加圧約150kgfを実現し、相反する軽量化と頑丈さを両立させた。
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つや消しの黒が渋いLavie G タイプJ ブラックの天面。ボンネット構造がよく分かる。 |
読者の中には、落下時の衝撃ならともかく圧力(加圧)に対してこれほどのスペックが必要なのかと疑問に感じる方もいるだろうが、ラッシュアワーの満員電車に乗車した経験があれば、横からかかる圧力がいかにすさまじいかは想像に難くないはず。実際、ポータブルデバイスのボディーやノートパソコンの液晶パネルが割れてしまった、といった話も少なからず聞く話であり、毎日会社と自宅でノートパソコンを携行している人にとって“潰れない”という特徴は、極めて重要なポイントと言える。
ボディー(外装)だけでなくHDDも衝撃吸収ラバーで包み込まれており、耐衝撃性への配慮が施されている。このように随所に耐久性を高める配慮が施されているが、いわゆる“ヘビーデューティー”なパソコン(工事現場など向けの堅牢性だけを売りにするモデル)とは違って、本体はB5ファイルサイズとコンパクトでスタイリッシュ。重さも約1066gに抑えているため、実際に手に持ってみると見た目以上に軽く感じる。ボディー周りに関しては毎日カバンに入れて持ち歩く“ヘビーなモバイルユーザー”に持ってこいと言える作りだ。
約6時間駆動のスタミナバッテリーで
ヘビーモバイルも難なくこなす
モバイルノートの購入時には、バッテリー駆動時の数値も注目すべきポイントであろう。搭載されているバッテリーは4セル仕様の7.4V/5200mAhで、この数字だけ見ても特に大容量というわけではないが、おかげでバッテリーユニットは小型・軽量(約215g)になっている。大容量バッテリーは用意されないが、電源がとれない場所での長時間モバイル用に別売の通常バッテリーユニット(1万5750円)を1つ携行しても邪魔には感じないだろう。
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本体底面。ご覧の通りバッテリーはすこぶる小さい。 |
本体にはバッテリー駆動時間を延ばすための工夫が随所に施されている。まず、チップセットにグラフィックス描画機能内蔵のIntel 855GMEを採用している点に注目したい。855GMEは一世代前のチップセットではあるが省電力性能に優れた特性を持つ。モバイルノートではまず第一にバッテリー駆動時間を優先してほしいというのがユーザーの本音であり、敢えてこれを選択した着眼点は評価すべきポイントだ。液晶パネルも、一般的な液晶パネルと比較して開口率(光を通す面積の割合)が高く、少ない消費電力(バックライト)でも明るい画面を映し出せる“低温ポリシリコン液晶”を搭載する。この低温ポリシリコン液晶は高輝度ゆえに発色も鮮やかで美しく、ほかのモバイルノートと見比べてもかなり高品質な液晶パネルになっている点も見逃せない。
このような細かい工夫が組み合わさって、4セル仕様にもかかわらず約6時間というバッテリー駆動時間が生み出されている。実際、1GBのWMV9ビデオファイルをエンドレスで再生し続けたところ、バッテリーフルから残り5%に至るまで約240分(4時間)を要した。このテストは負荷がやや高めであり、テキスト編集とウェブブラウズをメインに使う一般的な使い方であれば、連続稼働でも5時間近く持つと思われる。モバイルノートとしては十分なスタミナを持ち合わせていると言えるだろう。
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キーボード。コンパクト設計を重視して、奥行きを短くした長方形タイプのキートップを採用するモバイルノートもあるが、本機はスクエアタイプでよりタイプしやすい。 |
入力デバイスは、シンプルな6段構成のキーボードと2ボタンのタッチパッドの組み合わせで、キーピッチは17.55mmのフラットスクウェアタイプ。キースロトークは2.5mmとなっている。キータッチは全体的にかなり柔らかめな調整で、Enterキーなど大きなキーでは端を押すとぐらつく感じもあるが、タイプ感はおおむね良好である。
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本体両側面。インターフェースは側面に分散して配され、背面はすっきりしている。 |
インターフェースとしては、左右両側面にUSBポートを装備しており本体のどちら側にでも周辺機器を置けるフリーレイアウトを実現しているのがありがたい。特に右側面のUSBポートには挿抜耐久性のあるコネクターを採用しており、頻繁な抜き差しによる接触不良が起きにくくなっているという。
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CPUの動作クロックやバッテリー残量を表示する専用ツールが用意されている。バッテリー動作時のカスタマイズ項目も豊富で、見た目もわかりやすい作りだ。CPUパワーが必要な状況では、強制的にCPUを最大クロックで動作させるボタンもある。 |
内蔵無線LAN機能はIEEE 802.11a/b/gのトリプル仕様で、オンオフはFnキー経由で行なう。ACアダプターは約93(W)×42(D)×28.0(H)mm/約225gと小型軽量なタイプが付属するほか、ケーブルレスで直接ACアダプターをコンセントに差すためのアタッチメントが付属し、モバイル時には余計なケーブルを排除することが可能だ。
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インターネットの接続設定を切り替えるツールの画面。ボタンひとつで現在の設定項目を保存して設定リストへと登録され、切り替えの操作はアイコンをクリックするだけと実に簡単だ。 |
LaVie G タイプJ ブラックは、カラーリングの違い以外にも、メモリーが標準で768MB搭載(512MB増設済み)されているほか、落下や水こぼしなどの損傷もカバーする“3年間安心保証サービスパック”が付属する。メモリー増設による“快適な動作”と3年間保証の“安心”がセットになったお得なモデルと言えるだろう。NEC Directの価格は19万9794円と20万円を切る価格で買い得感は高い。実用性の高いモバイルノートとして、筆者も自信を持ってオススメできる1台である。
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LaVie G タイプJ ブラックの主なスペック | |
製品名 | LaVie G タイプJブラック(PC-LJ700EE1G) |
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CPU | 超低電圧Pentium M 753-1.20GHz |
チップセット | Intel 855GME |
メモリ | PC2700対応DDR SDRAM 768MB |
グラフィックスチップ | チップセット内蔵 |
液晶ディスプレー | 12.1インチ低温ポリシリコンTFTカラー液晶ディスプレー(1024×768ドット) |
HDD | 約80GB |
スロット | PCカード TypeII×1(CardBus対応) |
通信 | IEEE 802.11a/b/g、10/100BASE-TX |
インターフェース | USB 2.0×3、アナログRGB、オーディオ入出力など |
セキュリティー | セキュリティーチップ(TPM準拠)搭載(HDDパスワード対応) |
バッテリー駆動時間 | 約6時間 |
サイズ | 270(W)×217(D)×37.2(最薄部26.2)(H)mm |
重量 | 約1066g |
OS | Windows XP Professional SP2 |
