ソニー(株)は17日と18日の2日間、東京・銀座のソニービル8F“SOMIDO(ソミド)ホール”で、同社が取り組んでいる“インテリジェントアプリケーション”を紹介するイベント“知る、考える、働きかける、ソニーの身近なインテリジェンス展”を開催する。
開場となるソニービル8Fの“SOMIDOホール” |
ソニーでは、“知る”+“考える”+“働きかける”の3要素を組み合わせることによって、“自分らしさ”“簡単さ”“意外性”“安心感”などを提供できる製品やサービスをインテリジェントアプリケーションと呼んでいる。各種センサーやユーザーの操作履歴情報をなど利用して“ユーザーの存在”や“求めているコンテンツの情報”を知り、認識したユーザーの存在や嗜好情報をデータベースと参照して、求めているサービスやコンテンツを考え、ユーザーに対して最適な形で提案し、働きかけるというのがコンセプト。イベントでは、下記の8点の技術解説とデモの展示が行なわれる予定で、実際に機器に触れて体験することも可能。
- イベントの主な見どころ
- “スゴ録”シリーズの自動録画機能“x-おまかせ・まる録”などをデモ(発売済み)
- “ウォークマンA”シリーズの“アーティストリンク”と“インテリジェントシャッフル”の紹介(発売済み)
- 録画予約の利用状況や検索ワードなどの履歴から、ユーザーの嗜好にあったテレビ番組を推薦してくれる“テレビ王国”の新サービス(20日に開始予定)
- 携帯電話機で撮影した、ワインラベルをサーバーに送信することで、その情報を入手できる“フォトナビ・ワイン”(サービス提供中)
- 人間の顔を判別する画像認識技術を利用した、インタラクティブゲーム“Okao-Attacker”(オカオアタッカー)のデモ
- 直径1cmの小型魚眼レンズと独自開発の画像処理エンジンを組み合わせることで、パン&チルト機構なしに広範囲を一度に撮影できるカメラモジュール“カメレオンアイ”の展示(15日発表)
- 人間型ロボット“QRIO”による積み木移動のデモ
- カメレオンアイの技術をQRIOに応用した、広範囲から人間の動きを認識するデモ
16日に行なわれたプレス関係者向けの事前内覧会では、QRIOが縦に積まれたブロックの順番を認識し、その色の順番を記憶。周囲に置かれたブロックを探し出し、覚えた順番に“接近”→“把持”→“運搬”→“積み上げ”といった動作を行なうデモが行なわれた。
しっかり“腰を入れて”、ブロックを持ち上げるQRIO |
指定されたブロックの順番(左の写真)に基づいて、ブロックを選別し、順番に積み上げていくデモ |
新要素としては双腕協調技術とブロック認識技術がある。ブロックを持ち上げるために腕の稼動部分を7軸に増やし、6軸の力センサーにより把持(持ち上げ)する際の力の微調整や落下検出などを行なえるようにするといった動作に関する部分に加え、画像処理で周囲からブロックの色領域、頂点を検出し、距離情報と統合するブロック認識技術も追加されている。
QRIOと4人の女性がご対面 | QRIOにはこう見えている |
カメレオンアイ。左側が魚眼レンズを搭載した手のひらサイズの『RPU-C1833』、右側がミラーを利用して周囲360度の範囲を撮影できる『RPU-S5N』。ともにゆがみのある画像をリアルタイムに補正して画面に出力する機能や、画面内の動きを検知して知らせる機能などを装備している |
また“カメレオンアイ”の搭載により、頭部のカメラは従来比3倍の視野角となり、顔検出や動体検出もより効率よく行なえるようになっている。内覧会ではQRIOの前に立った4人の女性のうち、手を振った人を見つけ、その人に挨拶するデモも行なわれた。
Okao-Attackerのデモ。画面に映った映像のうち、顔の部分を検出し、その領域に対していろいろなインタラクションが加えられる |
イベントは一般公開されており、入場料は無料。11時~18時まで開催。ステージショーの形で行なわれるQRIOのデモは、12月23~25日には、ソニービル1Fでも公開されるという。