パソコンとしての基本スペックは
必要十分なものを揃える
パソコンとしてのスペックは、ごく一般的なものとなっている。チップセットにインテル915GVを搭載し、グラフィックス機能はチップセット内蔵のものを利用する。CPUはセレクションメニューからPentium 4 520J(2.8GHz)またはCeleron D 340J(2.93GHz)が選択できる。メモリの選択肢は256/512/1024/2048MBの4種類だが、メモリスロットが2つなのに加え、512MB以上の場合はデュアルチャネルとなるため(256MB×2/512MB×2/1024MB×2)、スロットが2つとも埋まった状態となるので、最低でも512MB、できれば1024MBをチョイスしたい。光学ドライブは2層書き込みに対応したDVDマルチプラスドライブを搭載する。際だった部分はないが、必須ラインでまとめたという印象である。
光学ドライブ、ボタン類が並ぶ本体下部 | メモリスロットは本体背面部(パソコン機能の“本体部分”)の最上部カバーをはずすとアクセスできる。やや差しにくい位置なので、購入時に必要なだけメモリをつんでしまうのが楽だろう |
インターフェイス類は、USB、メモリカードスロット、IEEE 1394などを装備。IEEE 1394や光オーディオ出力、PCカードスロットは右側面となる。機能拡張はPCカードスロットまたはUSB経由になるため、拡張性はノートパソコンと同程度と考えていいだろう。
本体左右側面。下側の“穴”はサブウーファ。拡張用ポートとして使用頻度の高いUSBは左右両側面、PCカードスロットは右側面にそれぞれ配置。TV関連のコネクターはすべて本体左側面の筐体カバーをはずしたところにある |
キーボードは電波方式のワイヤレス仕様となっているが、本体前面下部に専用の収納スペースが用意され、ここに格納/取り出ししたさいに、本体の電源をオン/オフにしたり、10フィートUIを持つマルチメディアコントロールソフト「MediaGarage」などのソフトを起動したりすることが可能になっている。キーボード取り出し時に電源がオンになるように設定しておけば、スムーズに本機が使えるようになるし、格納時に「MediaGarage」が起動するようにして、後はリモコンで操作するといった使い方をすれば、本機をパソコンとしてではなく“AV機器”としてTVやDVDをリビングで楽しむように“使用スタイル”をスマートに切り替えることができ、工夫次第で使い勝手が大きく変わってくる。なお、キーボードはノートパソコンのようなコンパクトでキーストロークが浅いタイプのもの。マウスも無線タイプだが、こちらは特に収納スペースは用意されていない。
キーボードは本体下部に収納可能で、ユーティリティー(写真右)により、格納/取り出し時の動作を設定できる。引き出し時は電源オンにしておくと便利。格納時は使い方に応じて上手く設定しておけば、使い勝手がよくなる |
リビングパソコンとしては優秀
デジタル非対応が評価の分かれ目か?
AVパソコンとして高い性能を重視し、26インチワイドという大型のディスプレイをいったいとしたこともあり、本体サイズは巨大だ。重さも約28kgもあり、一般的なパソコンデスクに設置するのは非現実的で、やはりどこからどう見ても、“AV専用パソコン”だ。
ただし、デジタル放送受信機能やD入力端子を装備しないこと、3Dグラフィック描画がチップセット内蔵で増設もできないため3Dゲームには適さないなど、オールラウンドなエンターテイメント用途にはウィークポイントもある。ただ、デジタル放送は本格的に普及するまでまだ時間がかかるし(地上波のデジタル完全移行は2011年)、そのころにはもっとコストパフォーマンスも性能も向上した製品が出る可能性が高いだろうが、いずれにしてもまだまだ“しばらく先”の話。本機をTVではなくパソコンとして見れば、3~5年後の買い換えを見越し、現時点でデジタル放送をオミットするのも悪くない選択肢だと思える。後述の筆者のオススメ構成だと価格はおよそ28万円弱で(価格は6月8日現在)、26インチ液晶TV、格安のパソコン、HDD&DVDビデオレコーダーを別途用意するよりもスマートでコスト的にも安い。デジタル放送はとりあえず様子見という人には、迫力、使い勝手ともに魅力的な選択肢となるだろう。
レビュワー・宇野貴教のオススメ構成
- CPU
- Pentium 4 520J(2.8GHz)
- メモリ
- 1024MB(512MB×2)
- HDD
- 400GB
- 液晶ディスプレイ
- 26インチワイド高輝度デジタルTFT液晶
構成のポイント
リビングルーム設置のホームシアターマシンこそ、本機の最も適した利用法だ。したがってディスプレイは26インチがベストチョイス。HDDはやはり400GBを選びたい。空き容量を気にせずにTV録画を行なうにはこの容量が必須と言ってしまっていいだろう。
VALUESTAR G タイプWの主なスペック | |
製品名 | VALUESTAR G タイプW |
---|---|
CPU | Pentium 4 520J(2.8GHz)/Celeron D 340J(2.93GHz)(セレクションメニュー) |
チップセット | Intel 915GV |
メモリ | DDR2-533 SDRAM 256/512/1024/2048MB(セレクションメニュー) |
HDD | シリアルATA 200/250/300/400GB(セレクションメニュー) |
光学ドライブ | DVD+R DL対応スロットインDVDマルチプラスドライブ |
グラフィックス機能 | チップセット内蔵 |
通信 | Ethernet(10BASE-T/100BASE-TX)、V.90準拠56kbpsモデム |
サウンド | チップセット内蔵 |
インターフェイス | PCカードスロット(TypeII×2またはTypeIII×1)、USB 2.0×5、IEEE 1394(4ピン)×1 |
ディスプレイ | 26インチワイドデジタルTFT液晶/20インチワイドスーパーシャインビューEX2液晶(セレクションメニュー) |
サイズ | 幅794×奥行き289×高さ507mm(26インチワイド液晶ディスプレイ選択時)/幅640×奥行き279×高さ437mm(20インチワイド液晶ディスプレイ選択時) |
重量 | 約28.1kg(26インチワイド液晶ディスプレイ選択時)/約24kg(20インチワイド液晶ディスプレイ選択時) |
搭載OS | Windows XP Home Edition SP2 |