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VALUESTAR G タイプTX

VALUESTAR G タイプTX

2005年06月24日 01時27分更新

文● 宇野 貴教

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VALUESTAR G タイプTX

日本電気/NEC Direct

9万4395円~(6月18日現在)

ハイエンド・パソコンの大敵“熱”“駆動音”を
“水冷”で解決するNECの定番高性能タワー型

アスキーとNEC Directのコラボレーションサイト“NEC Direct 24”
「VALUESTAR G タイプTX」など、NEC Direct製品の最新情報はこちらからご覧いただけます。画像をクリックするとアスキーとNEC Directのコラボレーションサイト“NEC Direct 24”に移動します。

 ハイエンド・パソコンに必ずつきまとう問題として、高い処理能力のCPUなどから生じる“熱”の問題がある。内部の熱を外部へ出すには、ファンで吸気と排気をし続けるのが一般的な方法だが、最近のCPUをフルパワーで利用すると、かなりの風量で空気を循環させなければ排熱が追いつかなくなってしまう。こうなるとファンの回転数を上げなければならず、ファンの風切り音や回転音により、どうしても“速いけれどうるさいパソコン”となってしまう。このような騒音を回避するため、NECでは、大手パソコンベンダーとして初めて“水冷システム”に着手し、ノウハウを培ってハイパフォーマンスと静音性とを両立してきた。この「VALUESTAR G タイプTX」は、この水冷システムを搭載する最新モデルで、NEC Directのフラッグシップモデルとなるタワー型パソコンである。



一部のマニアしか利用していなかった“水冷”システムを、一般コンシューマー向けに活用した「VALUESTAR G タイプTX」。写真のディスプレイは23インチワイド液晶のF23W11(A)(詳細は2ページ目を参照)

 光沢のあるピアノ調ブラックのフロントフェイスは、フラッグシップモデルにふさわしい高級感溢れる仕上がりだ。電源を投入すると、フロントの中央部が青色LEDでぼんやりと光り輝くのも視覚的に美しい。このLEDの下には開閉式のカバーがあり、中には、USB 2.0ポート×2を標準装備するほか、NEC Directならではのカスタマイズ、“セレクションメニュー”によりIEEE 1394ポート、PCカードスロット、トリプルメモリースロット(SD/xD/メモリースティックPro対応)を追加することが可能だ。

 基本プラットフォームはインテルのチップセット、Intel 915Gが基盤となる。DDR2 533メモリ、シリアルATA接続のHDD、拡張用インターフェイスとしてはPCIのほかに、PCI Express x16およびx1を各1本ずつ備え、高速かつ将来性のある最新規格に対応する。

 主要パーツの構成は、CPUはCeleron D 340J(2.93GHz)からPentium4 660(3.6GHz)まで4種類、メモリは最小256MBから最大2GB、HDDは160GBから400GB(拡張HDDの追加も可能で、最大で800GBものHDDを内蔵できる)など豊富な選択肢が用意される。また、ビデオ機能はチップセット内蔵機能の他に、PCI Express接続のATI RADEON X600 PRO搭載カードが用意され、これをチョイスすれば最新の3Dゲームも快適でスムーズな動作が可能だ。ホビーユースを想定しているユーザーには、これは見逃せないポイントとなるだろう。

本体前面(写真左)と背面(写真右)。写真のモデルはデジタル放送対応チューナと地上波アナログ放送用チューナの2枚を搭載したタイプ

水冷+エアフローによる
高排熱と低ノイズを実現

 “Prescott”という開発コードで呼ばれる、現在のインテルの主力CPUとなっているPentium4は、発熱量が比較的高く、シビアな熱設計が要求される。そのため、冷却ファンの騒音を抑えるのはなかなか難しい。TXは、このファンの騒音を抑えるために熱効率の高い水冷システムを搭載し、高負荷時の動作音がささやき声に近いノイズレベル、30dB(デシベル)という静粛性を実現している。dBと言う単位はピンとこないかもしれないが、静かな図書館の騒音レベルが約40dB程度とされている。つまりCPUにフルパワーで処理を行なわせても、集中して本が読める程度、もしくはそれ以上の静かさであるということだ。

本体カバーを開け、側面から見たところ。水冷システム搭載マシンだが、内部はすっきりしており、一見してそれとわかるものは本体背面に出っ張っているラジエータ程度か

 水冷システムはCPUを冷却水で冷やすための“水冷ジャケット”、冷却水を循環させる“ポンプ”、冷却水の熱を逃がす“ラジエータ”の3つで構成されている。これだけ聞くとかなり大がかりな装置と感じるかもしれないが、TXでは、ラジエータこそ背面に突きだしてはいるが、それを除けば非常にコンパクトな構造にまとまっており、パソコン内部はとてもスッキリとしている。水冷だからといって、本体サイズが巨大、内部もキツキツ、といった心配は一切ない。

 搭載されているファンは、CPUを冷やす水冷ジャケット上と、背面の電源ユニット部分に覆い被さるように設置されているラジエータ部分の2つ。前者がダクトを通して本体側面より内部へ冷えた空気を取り入れ、後者が電源ユニットと冷却水をラジエータで冷やして外部へ排出する仕組みだ。後部ファンは一般的な8cmサイズのファンではなく12cmの大口径ファンを搭載し、動作音の少ない低速回転でも十分な風量確保する。吸気ファンは8cmタイプだが、本体内の温度に応じて回転数を変化するタイプを採用し、発生する騒音を必要最小限に止めている。

 数値ではなかなか動作音は把握しにくいため、CPUを100%利用する処理を数十分ほど連続で行ない、実際に耳でどれくらいのノイズレベルなのか確かめてみた。電源投入直後は、かすかに「サー」っというファン回転が聞こえる程度で、本体に近づかないとこの音も聞こえないレベルだ。この音が気になるようなことはまずないと言えるだろう。ここから負荷をかけて様子を見たが、10分以上経過してもファンの動作音が大きくなる気配はなく、ほとんど電源投入直後と変わらないレベルだ。このまま1時間ほど続けてもノイズは増える気配を見せず、本機の水冷システムの排熱効率の高さとノイズレベルの低さが実感できた。ハイパフォーマンスと静かさを両立させた素晴らしいシステムであると言えるだろう。



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